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審査③ 地味カテゴリで想起が立つか — 反証審査
作成日: 2026-07-22 / 審査軸: ③のみ(想起)。他軸(需要規模・機能・価格・体制)は本稿の対象外。
一次入力: 20_スーパーサブ_コンセプトブック.md / 18_ブランド識別方向.md / 15A5a_TikTok.md / 15A5c_サテライト運用.md / 15_WHO_CEPマップ.md の5点のみ。
外部照合: 公開情報(各URL明記、2026-07-22取得)。
立場: 反証専門。本稿は「想起が立たない側」に立って書く。
1. 判定基準
1-1. 本稿で「CEP想起が立った」と認める定義
場面・問題の側から入って、ブランド名が非助成で出てくること。方向は必ず「CEP → ブランド」であり、逆方向(ブランド → 説明できる)は想起ではなく再認である。
1-2. 証拠として採るもの
| 採る証拠 |
理由 |
| ブランド名がカテゴリ語・場面語として一般流通している(第三者が普通名詞のように使う) |
CEPとブランドが記憶上で結合している直接の痕跡 |
| 商品名・パッケージにCEP文(場面+問題)が埋め込まれ、10年単位で不変 |
反復入力の実在が公開物で追える |
| 場面語での指名検索が、カテゴリ語検索と同等以上に立っている |
CEP起点の想起が検索行動に現れている |
| 非助成想起調査(場面提示→自由回答)の公開値 |
定義そのもの |
1-3. 証拠として採らないもの(指示に従い明示的に排除)
| 排除するもの |
排除理由 |
| 売上・出荷本数・販売No.1・累計◯万本 |
配荷・棚・値引き・販促で作れる。想起がなくても成立する |
| 知名度・認知率・フォロワー・再生数 |
ブランド→の方向であり、CEP→の方向を一切証明しない |
| 好意度・満足度・レビュー星・受賞 |
既購入者内の評価であり、購入前の検索段階での想起とは無関係 |
| 早期完売・話題化 |
新奇性と供給量の関数。反復想起とは独立 |
| 記号の再認率(ロゴを隠して「どのブランドか」当てる) |
再認であって想起ではない。1-1で明示的に排除する |
この基準を当てると、5ファイルが想起の根拠として挙げている材料はほぼ全て 1-3 に落ちる。(ナリスの早期完売、KATEの累計3,700万本、egg のTikTok累計再生、落ちない リップ 14,800、18_ L124 の G2 テスト、20_ L302 の検証指標②。)現時点で本件は、CEP想起について証拠ゼロから出発している。
2. 事例照合
2-1. 地味カテゴリで想起が立った側
事例A: ソフィーナ プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地(化粧下地=下地カテゴリ)
- 事実: 商品名に「皮脂くずれ防止」というCEP文(場面=皮脂で/問題=くずれる)が入っており、2010年発売から名称の中核を変えていない。ブランドサイト・改良リリースでも同じ語で通している。
花王 改良新発売リリース / プリマヴィスタ公式 / 受賞リリース
- 本件へ移せる条件: ①CEPを商品名の中に文として置く(形容ではなく「◯◯で△△する/させない」)②その1文を10年動かさない ③問題語(くずれる)を占有し、動作語(整える)を占有しにいかない。
- 移せない条件: 花王の全国棚・TVCM・BAという年単位の強制反復到達。および「化粧下地」というカテゴリ語自体が大きく、CEP想起の受け皿が既に存在していたこと。リップ下地にはこの受け皿がない(15_ L80 の
リップ下地 月間2,400/リップベース 1,300)。
- 注記: 受賞・売上No.1は 1-3 により想起の証拠として採らない。採ったのはCEP文の名称固定と不変性のみ。
事例B: ウタマロ石けん(部分洗い=完全な脇役・地味カテゴリ)
- 事実: 公式が用途を「靴下やユニフォームについた泥汚れ、シャツのエリ・ソデ汚れ、普段着についた化粧品汚れ、食べこぼし汚れなど」と、場面を名指しで列挙している。緑の固形+単一パッケージを長期不変で維持。
ウタマロ公式
- 本件へ移せる条件: 記号(色・形)を一切変えずに数十年反復すれば、脇役カテゴリでも「この汚れ=この石けん」の結合は作れる。CEP側を先に固有名で呼べる状態にする(泥汚れ/エリ・ソデ)。
- 移せない条件: ①ウタマロの便益は汚れが落ちる=視覚的に起きたことの証明。本件C04の主便益は「濃くならない・ムラにならない」=起きなかったことの証明で、記憶に残る画が構造的に作れない。②数十年という時間。本件は15A5c L156-162 で90日移行を設計している。
事例C: Seche Vite 速乾トップコート(トップコート=コート・後工程カテゴリ)
- 事実: セルフネイル文脈で「速乾トップコート」の代表として反復言及される。想起の芯は「速乾」という一次元・計測可能な便益ひとつ。
@cosme 商品ページ
- 本件へ移せる条件: 後工程(コート)で想起を取るなら、便益を時間のように一次元で測れるものに落とし込む。
- 移せない条件: 本件が20_ L164 で第2候補に置く「色持ちを支えるコート」も、20_ L32 で数値約束を封じているため、一次元の測れる便益を名乗れない。Seche Viteの成立条件を、本件は自ら禁じている。
- 注記: 口コミ量・人気は 1-3 により不採用。採ったのは「想起の芯が一次元便益である」という構造のみ。
事例D: コーセー メイク キープ ミスト(後工程フィックス=コート系)
- 事実: コーセー自身が、当該商品がメイクフィックス市場を拡大したと説明。商品名がCEP(メイクをキープする)そのもの。
コーセー公式ニュース / Maison KOSÉ 製品ページ
- 本件へ移せる条件: 後工程でも「ブランド名=カテゴリ語」を作れる。ただしそれはカテゴリ語がまだ無い場所に、自分の商品名でカテゴリ語を建てた場合に限る。
- 移せない条件: 本件は逆をやっている。18_ L45 は
lip tint balm 色名 を名称から排除し、20_ L58 の核も「好きなメイクを、もっと使いやすく。」でカテゴリ語も場面語も含まない。カテゴリ語を建てる部品を全部捨てた状態でカテゴリ想起を狙っている。
- 注記: 累計出荷950万個超は 1-3 により不採用。
2-2. 想起が立たなかった側
事例E: KATE リップカラーコントロールベース EX-1(=本件と同一CEP・同一形態)
- 事実: 花王公式通販の当該商品ページに「My Kao Mallでの販売を終了しました」「大変申し訳ございませんが完売いたしました」と表示(2026-07-22確認)。
花王 My Kao Mall / @cosme 商品ページ
- 意味: リップモンスターで累計3,700万本(20_ L118)の到達力を持つKATEが、「唇のくすみを黄みで補整し、上の口紅の発色を上げる」というほぼ同一のCEPで、第一想起を作れないまま棚から降りた。 20_ L130 は同品を「現行性は要検証」と競合表に載せるだけで、なぜ想起が立たなかったのかを一度も検討していない。
- 本件へ移せる条件(=反証): 発信力の桁は想起の必要条件ではない。KATEの到達力はHJの想定到達を明らかに上回る。「HJの速度+マテリアルのPRで想起を作る」という筋は、この1件で反証されている。
- 移せない条件: KATEの撤退理由の一次情報は非公開。したがって「想起が立たなかった」は棚からの消滅という結果からの推定であり、断定はしない。
事例F: リップ下地カテゴリそのもの(カテゴリ想起の不在)
- 事実: 5ファイル内の一次シグナルで、
リップ下地 月間2,400・リップベース 1,300(15_ L80)。同じ資料の 落ちない リップ は14,800(15_ L83)。M・A・C プレップ プライム リップ 3,850円は長期に存在するが第一想起の証拠がない(20_ L132)。
- 意味: カテゴリ語の検索が桁で小さい=そもそも「リップ下地」というCEPが消費者の頭の中に棚として存在していない。 プリマヴィスタが乗った「化粧下地」の受け皿が、リップには無い。
- 本件へ移せる条件: カテゴリ棚が無い場所で想起を取るには、事例Dの型(自分でカテゴリ語を建てる)しかない。中間の道はない。
- 移せない条件: 20_ が主入口に選んだC04の需要シグナル(14,800)は、下地・コートのCEPではなく完成品リップ(KATE/OPERA)のCEPの数字である。この数字を本件の想起見込みに読み替えることはできない。
事例G: 本件の直接競合群(20_ 4-2 の11商品)
- 事実: 20_ L124-134 の11商品はいずれも「唇の地色を消す/トーンを補正する」に訴求が集中し、価格は1,210〜3,850円に分布。この密度の中で、どれか1つが「リップ下地といえば」の第一想起を取ったという公開証拠は、5ファイル内にも今回の照合にも無い。
- 意味: 11社が同一便益で並走し、誰も想起を取れていない。これは「空いている」ではなく「このCEPでは想起が立ちにくい」という構造の証拠として読むべきだが、20_ L136 は「主軸に置いた商品はこの一覧では確認できない」=空白の証拠として読んでいる。読みの向きが逆。
3. 敵対指摘
指摘1 — 測っていない指標の「空き」を、主入口の根拠にしている【致命的】
- 箇所:
15_WHO_CEPマップ.md L42(「CEP別の第一想起、選択シェア、メンタルアベイラビリティは測定していない」)/ 同 L260・L370(「復旧専用の第一想起は分散」「専用CEPの第一想起は未固定」)/ 20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 3-2・決定2。
- 弱点: 15_ は自ら「第一想起は測定していない、占有の根拠にしない」と宣言しておきながら、同じ資料の4-1と6章で「第一想起は分散/未固定」と測定していない指標の状態を断定し、20_ はそれを引き継いでC04を主入口に選んでいる。未測定の空白は、空白の証拠ではない。事例Gの通り、同じ盤面は「11社が並走して誰も取れていない=取りにくい」とも読める。読みの向きを選んだ理由が資料内に無い。
- 修正案: 「第一想起は分散/未固定」という記述を全て削り、
未測定 に置換する。そのうえで、C04採用の根拠を「想起の空き」から外し、実演可能性と需要シグナルだけに限定して書き直す。想起可否は §4 の事前登録テストの結果が出るまで未判定と明記する。
- 重大度: 致命的
指摘2 — 想起指標が1つも「CEP→ブランド」を測っていない【致命的】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3「検証指標」(①問題の言い当て率 ②記号の再認率 ③指名検索数 ④利用者投稿件数 ⑤指名流入比率)/ 18_ブランド識別方向.md 「次の設計ゲート」4(G2でロゴを隠して「どのブランドか」を言えるか)。
- 弱点: ①はブランド非依存(カテゴリの問題認知)。②④はブランド提示後の再認。③⑤はブランド名を既に知っている人の行動で、想起の結果であって測定ではない。5指標すべてが 1-3 の排除対象か、方向が逆。18_ のG2も「ブランド→説明できるか」で完全に逆方向。本件の中心命題「地味カテゴリで想起が立つか」を測る装置が、2ファイル合わせて1つも無い。
- 修正案: 罠3の指標を差し替える。第一指標を「場面文のみを提示した非助成想起(『食後に口紅の色が濃く・汚くなった時、まず思い浮かぶ商品名は?』への自由回答で自社名が出る率)」とし、同時に競合名(KATE/OPERA/ナリス)が出る率を併記する。18_ のG2に、逆方向の「場面提示→ブランド名」テストを追加する。詳細は §4。
- 重大度: 致命的
指摘3 — 「問題の言い当て率」を上げると、刈り取るのは競合になる【致命的】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3「想起の仕組み」(露出の評価軸を認知率ではなく「問題の言い当て率」に置く)。
- 弱点: 「食後に色が濃く・汚くなる」という問題を言えるようになった人が次に想起するのは、その問題に既に大量の反復入力を持っている完成品リップである(15_ L83 の
落ちない リップ 14,800、飲み会リップ 6,600、20_ L118 のKATE 3,700万本)。無名の下地が、問題認知だけを増やして自分に接続できる根拠は資料内に無い。カテゴリ教育の投資が先行者に流出する構造。事例Fの通り、リップ下地には受け皿の棚が存在しない。
- 修正案: 問題語を「食後に色が濃く・汚くなる」(既存カテゴリと共有)ではなく、既存カテゴリが答えられない固有の問題文に作り替える。例:「塗り直すと濃くなる」ではなく「残った色の上から、同じ色が乗らない」。問題文の中に、完成品リップでは解けないことが構造的に含まれている必要がある。問題文の候補を3案作り、非助成想起テストで「その問題文を聞いた時に既存ブランドが出る率」が最も低い案を選ぶ。
- 重大度: 致命的
指摘4 — 占有しようとしているのが「動作語」で、他社が同日名乗れる【致命的】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3-1(呼称の固定:動作を指す言葉を「整える」に固定する)。
- 弱点: 「整える」は既に同カテゴリの共有語である。同ファイル自身が、ちふれの訴求(20_ L117)、ナリスの「地色を抑え」(L124)、C01の記述「先に唇の状態を整える」(L86)で同じ語を使っている。18_ L16・L69 も「整える」を態度・動詞として置く。動作語は、競合が同じ動作をした瞬間に無効化される。事例Aの「皮脂くずれ防止」は問題語であり、他社が名乗れば追随に見える。「整える」は他社が名乗っても追随に見えない。
- 修正案: 占有語を動作語から問題語+場面語の複合へ移す。核となる1語は「整える」を捨て、指摘3で選んだ固有問題文の中の名詞(例:残色/二度塗りの濃さ)に置く。「整える」は説明文の中では使ってよいが、占有対象からは外すと明記する。
- 重大度: 致命的
指摘5 — 第一推奨の核が、場面語も問題語も含まず、想起の入口になり得ない【致命的】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 2章 第一推奨(案A「好きなメイクを、もっと使いやすく。」)と、案B「手持ちの色が、思ったとおりに出る。」の却下理由。
- 弱点: 案Aには場面(いつ)も問題(何が困る)も入っていない。CEP想起は場面・問題の側から入るので、案Aは想起の入口として機能しない。却下理由は「部位横展開(ネイル・目/まつ毛)で言い直しが出る」だが、その2号以降は同ファイル L165-167 で全て「機能未定(要検証)」。まだ存在しない商品の都合で、1号の想起を捨てている。さらに20_ 5-3 の第一推奨は「まずリップ内を深掘りし、部位横展開は後」であり、案A採用理由と正面から矛盾している。
- 修正案: 核を案B系(場面・問題を含む型)へ差し替え、部位横展開時はその時点で核を書き換えると明記する。核の書き換えコストは、1号で想起がゼロのまま2号に進むコストより小さい。差し替えができないなら、案Aは「対外の核」ではなく「社内の事業定義」に降格し、全接点で反復するのは1号リップの約束1本に統一する。
- 重大度: 致命的
指摘6 — 反復の器が二階建てで、地味カテゴリに必要な反復回数を自ら半減させている【重大】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 2章「『好きな色を、私の色に。』との関係」(ブランドの核=案A、1号の約束=別、階層を分けて同じ場所に並べない)/ 18_ブランド識別方向.md 2章(タグラインは一つに絞る。商品ごとに異なる決め文句を増やさない)。
- 弱点: 20_ の二階建ては、18_ の明示ルールに正面から違反している。地味カテゴリの想起は反復回数だけが原資で、言葉が2本あれば1本あたりの反復は半分になる。事例A・Bはいずれも1文を数十年動かしていない。
- 修正案: 対外で反復する言葉を1本に確定する(指摘5の結論に従い、場面・問題を含む方を採る)。もう1本は社内文書と事業定義に限定し、容器・投稿・EC・棚には一切載せないと明記する。
- 重大度: 重大
指摘7 — 記号が抽象幾何で、CEPを1文字も語っていない【重大】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3-4(「一整えサイン」=濃い赤茶#5A3038の縦線1本+同色の円1個)/ 18_ブランド識別方向.md 3章(主記号の色・正面シルエット・共通ジョイント)。
- 弱点: 抽象記号は再認の道具であって、CEPから引き出される想起の手がかりにはならない。18_ がモデルに挙げるCHANEL N°5は膨大な既存記憶があって初めて成立する。事例Bのウタマロは、緑という記号に加えて用途の名指しがパッケージと公式で常時併走している。本件の記号設計には、CEPを語る要素が一つも含まれていない。
- 修正案: 記号セットに「CEPを語る固定要素」を1つ必ず含める。容器・外箱・投稿・棚のすべてで、問題文(指摘3)を同じ書体・同じ位置で常時併記する。抽象記号だけの案は、CEP想起の資産としては数えない。
- 重大度: 重大
指摘8 — 名称からカテゴリ語を全排除しており、想起の検索経路が閉じる【重大】
- 箇所:
18_ブランド識別方向.md 1章「避けるべき縛り」(lip tint balm 色名・粘膜・チャーム・キーリングを入れない)。
- 弱点: 事例A(商品名に「化粧下地」)、事例D(商品名がCEPそのもの)はいずれもカテゴリ語・便益語を名称に持つ。カテゴリ棚が既に無い(事例F)うえに名称からもカテゴリ語を外すと、CEPからブランドへ辿る経路が完全に消える。18_ の排除理由は「買い手が引き継ぐ対象を狭める」だが、それはマスターブランド名の話であって、商品名まで同じ規則を適用する根拠は書かれていない。
- 修正案: マスターブランド名と商品名を明確に分離し、商品名にはカテゴリ語+CEP文を必ず入れると規則を書き分ける(例:マスター名+「◯◯用リップベース〈残色を重ねない〉」)。18_ の排除リストは、マスターブランド名にのみ適用と限定を付す。
- 重大度: 重大
指摘9 — 想起形成の時間軸と、運用の時間軸(90日)が両立していない【重大】
- 箇所:
15A5c_サテライト運用.md 4章「HJ依存を残さない移行条件」(0〜30日探索/31〜60日再現/61〜90日配分移行)と「毎月確認する依存指標」。
- 弱点: 依存指標6項目に想起の項目が1つも無い。90日で配分を移すと、想起がまだ立っていない段階で反復入力の主要供給源を切ることになる。事例A(10年以上の名称不変)、事例B(数十年)と比べて桁が違う。90日の設計はGMV最適化の設計であって、想起形成の設計ではない。2つの目的を同じスケジュールに乗せている。
- 修正案: 90日の移行判定は「販売機構の自立」の判定に限定すると明記し、想起形成は別トラック・別期間(12〜24か月)として切り出す。毎月の依存指標に「場面提示→自社名の非助成想起率」を追加し、これは90日ではなく四半期で追う。想起トラックでは、投稿の主指標を完視聴率ではなく問題文の再話率に変える。
- 重大度: 重大
指摘10 — 「起きなかったこと」を主便益にしながら、BA(変化を見せる)型の制作設計に全面依存している【重大】
- 箇所:
15A5a_TikTok.md §「本件への所見」第一推奨(ベースなし/ありの左右比較)と、CEP相性表の「朝、好きなリップを塗る前」行(制作相性は高いが伸長実績は要検証)/ 15A5c_サテライト運用.md §2「量産に適する商品条件」(1カット目で「何が変わるか」が見える)。
- 弱点: 15A5c は自ら「1カット目で何が変わるかが見える」を量産条件に挙げている。しかし20_ の主便益は「濃くならない・ムラにならない」=変化が起きないことであり、この条件に構造的に適合しない。左右比較で差が出なければ動画は成立せず、差が出るほど強い補正は20_ 6-1 の「自然な血色に見える状態」という主評価と衝突する。事例Bのウタマロが成立するのは、汚れが落ちるという起きたことを撮れるからである。15A5a 自身も「伸長実績は要検証」「反復する高再生型は確認できなかった」と繰り返し留保しており、本件のCEPに合う伸びた型は5ファイル内に1件も存在しない。
- 修正案: 制作の主軸を「ベースあり/なしの左右比較」から、失敗側を主役にする型(本品なしで塗り直す→濃く・汚くなる過程を先に見せ、本品ありを後に置く)へ変更する。想起の対象を商品の見た目ではなく失敗の画に置く。この型で、A/Bの主指標を完視聴率ではなく「コメント内で問題文を自分の言葉で書いた件数」に変える。差が出ない場合は、C04を想起の入口から外す判断材料とする。
- 重大度: 重大
指摘11 — 場面の固定と部位横展開が同時に宣言されており、反復が分散する【中】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3-2(問題場面の固定:食後・人に会う前という1つの場面に絞る。場面を増やさない)と、同2章 案A採用理由(部位を横断しても壊れない)・5-1 部位横展開表。
- 弱点: 記号と言葉を「1場面に固定」しながら、核の言葉は「部位を横断できる」ことを理由に選んでいる。反復の対象が場面なのか部位横断の態度なのかが定まらず、接点ごとに揺れる。
- 修正案: 罠3-2 を優先すると明記し、部位横展開は「同じ場面構造を別部位に複製する」(例:ネイルなら「塗り直しで厚くなる」)と定義し直す。核は場面構造の側に置き、部位に依存しない抽象語(使いやすく/整える)には置かない。
- 重大度: 中
指摘12 — サテライト運用の想起効果が未検証と自認しながら、想起設計の主要な担い手として組み込んでいる【中】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 罠3「注記」(ブランド保有のサテライトアカウントが想起を増やす因果効果の一次実験は確認できていない)/ 15A5c_サテライト運用.md §1「本件で採るアカウント構造」4(テーマ別のブランド運営アカウント)。
- 弱点: 因果未確認の注記が末尾の1行に置かれ、設計本体(罠3の6項目、15A5c の5層構造)は注記を反映せずに書かれている。加えて15A5c の構造は発信主体が5層に分散するため、同一記号・同一問題文の反復回数は主体数に反比例して薄まる。分散運用は購入獲得には効くが、想起形成には逆に働く可能性がある。
- 修正案: 想起トラックでは反復主体を絞ると明記する。具体的には、①ブランド公式 ②固定した3〜5名のクリエイター のみが問題文と記号を同一形で反復し、それ以外の層は購入獲得トラックとして想起指標の対象外にする。テーマ別ブランド運営アカウントは、想起が立つまで着手しない。
- 重大度: 中
指摘13 — 後工程コートの想起条件を、自ら禁じている【中】
- 箇所:
20_スーパーサブ_コンセプトブック.md 1-2「作らないもの」(「2倍落ちにくい」といった数値の約束は使わない)と 5-1 表の後工程コート【第2候補】。
- 弱点: 事例Cの通り、コート系で想起が立つ芯は「速乾」のような一次元・計測可能な便益である。数値の約束を封じたまま後工程コートを第2候補に置くと、2号でも想起の芯を持てない。禁止自体は実測前として妥当だが、禁止を解除する条件が書かれていない。
- 修正案: 「実測が出た後に、一次元・計測可能な便益を1つだけ名乗る」を第2候補の前提条件として明記し、名乗れる見込みがない場合は後工程コートを候補から外すと書く。
- 重大度: 中
4. CEP取得の反証可能な合格条件
以下はすべて検証前に事前登録する。事後に基準を動かした時点で不合格とする。
4-1. 主指標(これ以外を想起の証拠にしない)
非助成想起率(CEP→ブランド)
- 対象: W1スクリーナー通過者(年齢で代用しない。20_ 6-1 の定義に従う)。有効n≥400。
- 提示: 場面文のみ。ブランド名・商品カテゴリ名・記号・価格を一切見せない。提示文は固定し、指摘3で選んだ固有問題文を使う。
- 設問: 「この場面で、まず思い浮かぶ商品名・ブランド名を、思いつく順に3つまで自由に書いてください」
- 集計: ①自社名の第1想起率 ②自社名の想起集合内出現率 ③同時に出た競合名(KATE/OPERA/ナリス/colorgram/その他)の出現率。
- ベースライン: 発売前に同一設問で1回測る(自社0%が確認できる)。
4-2. 合格線(数値は金曜に確定し、確定後は動かさない)
| 時点 |
合格条件 |
不合格時の行動 |
| 発売前 |
ベースライン取得済み、提示文・設問・集計方法が事前登録済み |
登録が済むまで想起投資(記号固定・接点統一)に予算を付けない |
| 発売+6か月 |
自社名の想起集合内出現率がベースライン+X pt(Xは事前登録)。かつ同一場面文での競合出現率が減少していない場合でも可 |
問題文(指摘3)を1回だけ差し替え、以降は固定 |
| 発売+12か月 |
①自社名の第1想起率 ≥ Y%(事前登録)②同一場面文で自社名が競合上位3社のいずれかを上回る |
想起トラックを縮小し、指摘10の失敗画型に投資を集中 |
| 発売+24か月 |
自社名の第1想起率 ≥ Z%(事前登録、Y<Z)。かつ場面語での指名検索が リップ下地+リップベース の合計を上回る |
CEP占有戦略を放棄。役割を「下地・コートでの想起」から外し、完成品側または相性データ事業へ転換する |
4-3. 補助指標(主指標を代替しない)
- 問題文の再話率: 接触者が、提示なしで問題文を自分の言葉で書けるか。ただしこれ単独では合格にしない(指摘3の流出リスクがあるため、必ず4-1の競合出現率とセットで読む)。
- 場面語での指名検索の推移: 「(自社名)+食後」「(自社名)+塗り直し」等。カテゴリ語検索との比で見る。
4-4. 想起の証拠として採らないもの(再掲・運用ルール)
売上・出荷本数・販売ランキング・完売速度・認知率・フォロワー数・再生数・保存数・いいね数・好意度・満足度・レビュー星・受賞歴・記号の再認率(ロゴを隠したブランド当て)。これらが並んだ報告は、想起の報告として受理しない。
4-5. 本審査の反証条件(この審査自体を否定する材料)
本稿の判定は、次のいずれかが公開一次情報で示された場合に取り下げる。
- リップ下地・リップコートのいずれかで、場面提示型の非助成想起調査においてブランド名が第一想起を取った公開値が存在すること。
- 事例E(KATE リップカラーコントロールベース)の撤退理由が、想起以外の要因(製造・原料・棚政策など)であると一次情報で確認できること。
- 15A5a が「要検証」とした型のうち、本件と同一CEP(下地あり/なしの発色差)で反復的な高再生と購入転換が観測されたこと。
5. 判定
現時点で、③地味カテゴリで想起が立つかは「立たない側」に振れている。理由は3点に集約される。①想起を測る装置が5ファイルに1つも無く(指摘2)、②占有しようとしている語が問題語ではなく動作語で他社が同日名乗れ(指摘4)、③同一CEPで桁違いの到達力を持つ事業者が既に棚から降りている(事例E)。金曜の決定1・決定2は、この3点への回答が資料に書き込まれるまで確定させるべきではない。