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コンセプトブック(2026-07-24 9:30 討議版)

作成日: 2026-07-22 / 対象: HJ×マテリアル JV 1号ブランド 注記1: 「スーパーサブ」は社内の仮ラベルであり、消費者向けの名称としては使わない(出典: _kettei.md:L121)。本文では、この事業が取る役割そのものを指す言葉として「整える役割」と書く。 注記2: 出典中の MTG原文20260722_MTG_スーパーサブ_リップCEP_transcript.txt を指す。


この本の結論

作るのは、好きなリップを買い替えさせずに、その前後で使いやすさと仕上がりを支える商品群である。1号リップは「食後・飲み物の後に、残った色を整え直す」を主用途とする。同じ処方で朝の塗る前も成立すると実証できた場合に限り、朝の用途を副用途として足す。「買った色が自分の唇に合わなかった」という経験は買う理由として使い、別の売上箱にはしない。

一言の核は「好きなメイクを、もっと使いやすく。」を第一推奨とする。既存の「好きな色を、私の色に。」は1号リップの約束として残し、部位を横断するブランドの核とは分けて使う。価格は正価2,420円を中心に1,980/2,420/2,970円の3水準で正価購入テストを行う(社内資料間で前提が食い違っており正本の確定は金曜。要検証)。

残す資産はSKUの数ではない。商品を横断する識別資産、手持ちのリップとの相性・使用データ、同意の範囲内で持つ顧客との直接の関係、共通規格と使用手順の4つである。HJの実験速度とマテリアルのPRは初速を上げる力であって、資産そのものではない(出典: _kettei.md:L49-L52)。機能の実証が通らなければ成立しない。合格数値は現時点で未設定で、検証の前に事前登録する(要検証)(出典: 11_F.md:L46, L71, L133-L141)。


1. 本体の定義 — 何を作り、何を作らないか

1-1. 起点と本体の定義

好きなリップを持っていても、唇の色・乾燥・前に塗った色の残りの影響で思ったとおりの発色にならないことがある。それでも別のリップに買い替えたいわけではない、という行動の仮説が起点にある(出典: MTG原文:L7)。リップクリーム、リップペンシル/ライナー、プランパー、グロスは個別の商品として存在するが、これらを横断して束ねる存在は現状ないという認識も共有されている(出典: MTG原文:L11-L12)。

本体は、ユーザーが元々好きで使い続けている化粧品を否定・代替せず、その前後の工程で発色と持ちを支える商品群である(出典: MTG原文:L8-L9, L12-L13, L42-L43/_kettei.md:L113)。工程は手前に仕込む前工程と後から重ねる後工程の両方が候補として確定しており(出典: _kettei.md:L115/MTG原文:L19-L22)、部位も唇に限らず目・まつ毛・ネイル、将来のインナービューティーまでの横展開を前提に置く(出典: _kettei.md:L114/MTG原文:L21-L22, L42)。

1-2. 作らないもの

1-3. 前提となる制約


2. 一言の核 — 3案と第一推奨

3案は構造の異なる3方向で出す。方向1は使う人の行動を言う。方向2は仕上がりの結果を言う。方向3は既存ブランドとの関係を言う。いずれも補助的な立場を指す語は使わない。

案A(方向1・行動)「好きなメイクを、もっと使いやすく。」

効く理由: 買い替えを求めていないことが一言で伝わる。「使いやすく」は前工程と後工程の両方を含み、色に縛られないため、リップからネイル・目/まつ毛へ広げても言葉が壊れない。7/22で確定した中心軸「あらゆるブランドと競合せず共存しながらメイク周りの課題感を解決する」(出典: _kettei.md:L122)と指す範囲が一致する。

案B(方向2・結果)「手持ちの色が、思ったとおりに出る。」

効く理由: 買う理由(買った色が自分の唇では違って出た)に直接触れるため購入の場面で強い。一方で「色」に紐づくため、ネイル・目/まつ毛へ広げるときに言い換えが要る。1号リップ単体では強く、ブランドの核としては射程が狭い。

案C(方向3・関係)「あなたが選んだ1本の、前と後ろ。」

効く理由: 前工程・後工程という商品の構成そのものを説明でき、既存ブランドと競合しない立ち位置も伝わる。ただし使う人の利得が言葉の表面に出ないため、店頭やECの短い接点では意味が届きにくい。

第一推奨: 案A「好きなメイクを、もっと使いやすく。」

理由は3つ。第一に、部位を横断しても壊れない。部位横展開ポートフォリオが確定方向である以上(出典: _kettei.md:L114)、核の言葉が色に縛られていると、2号以降で言い直しが発生する。第二に、既存ブランドと共存する立ち位置が言葉に入っている。第三に、効能の断定を含まないため、実証前でも掲出できる。ただし薬機・景表法上の最終確認は未実施であり、金曜までに法務確認を要する(要検証)。

「好きな色を、私の色に。」との関係

「好きな色を、私の色に。」は1号リップの外向きの約束として確定している。好きな色を諦めず、自分に合わせて使えるという意味であり、「夜」「美容液」「粘膜」「チャーム」「何度でも」は約束に入れないことも併せて確定している(出典: 11_FINAL_spine.md:L84, L86)。

この約束はそのまま1号リップの約束として残し、部位を横断するブランドの核(案A)とは階層を分けて同じ場所に並べない。「色」はリップの発色に紐づく言葉であり、ネイル・目/まつ毛・前後工程の両方をこの一言で束ねられるかは社内資料で検証されていない(要検証)。運用は、ブランドの核=案A、1号リップの約束=「好きな色を、私の色に。」とし、2号以降も部位ごとに同じ構造で商品の約束を1本ずつ置く。


3. 入口 — 誰の、どの場面から入るか

3-1. 入口の考え方

WHOは「WHO×CEP」で捉える。CEPは複数あり得るが全部同時ではなく、絞った入口CEP群を決め打ちして集中し、そこから隣接CEPへ拡張する(出典: _kettei.md:L42-L44)。WHOの最終確定は関の判断分岐点である(出典: _kettei.md:L46)。

3-2. C04 — 食後・飲み物の後、色落ち・ムラを直す時(主入口・第一推奨)

場面: 食後に内側だけ色が落ち、外側に色が残る。その上から同じ色を塗ると濃くなり、汚くなる。次の会議や外出の前に短時間で整えたい(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L83)。

シグナル: 検索「落ちない リップ」月間14,800、「飲み会リップ」6,600。YouTubeコメント482件中、色落ち・縁残りの言及13件。LIPS・モールにも同様の発話(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L83)。需要階級はA(飲食後の持続・塗り直し一般)とB(残った色を整えて濃くなるのとムラを抑える、本商品固有の便益)に分かれる(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L83, L130)。

顕在需要と実演のしやすさはC01より強い。一方で「残色の整え直し」への増分購入率と、下地の処方だけで解けるかは未確認(要検証)(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L83)。社内の正本ではW1×C04を主入口として仮採用している(出典: 11_FINAL_spine.md:L24, L26)。

3-3. C01 — 朝、好きなリップを塗る前(条件付きの副用途)

場面: 乾燥した部分と素の唇の色のまま塗ると、昨日と同じ失敗になるため、先に唇の状態を整える(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L80)。

シグナル: 検索「リップ下地」月間2,400、「リップベース」1,300。YouTubeコメント482件中、下地・重ねの言及17件。ナリス「ヌードリップミューター」が発売から約1か月で年間計画、約2か月で完売(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L80)。

ここは空白ではない。ナリス・colorgram・KATE・Fujikoがすでに近接しており、時間経過と複数ブランドとの相性の再現性を示す必要があると分析されている(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L80)。したがってC01は、C04と同一処方・共通手順で成立する場合に限って共同の入口とする(出典: 11_FINAL_spine.md:L27, L45, L72)。C04が不合格だった場合の救済用途には使わない(出典: 11_F.md:L50-L58)。

3-4. C18a — 買った色が合わなかった後、次を選び直す時(問題認識)

場面: 好きだった色を買ったのに、自分の唇では赤い・暗い・白い・ムラになる。翌日「今ある色を使う方法」を検索する。シグナルは、@cosme横断31件中で色変化13件・ムラ10件、YouTubeコメント482件中で色変化27件、Instagram 19件、ナリスの調査で赤みが強い人の約8割に口紅選びの失敗経験(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L97, L15)。

C18aは購入入口として最上位に置かれた経緯があるが(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L15)、正本では主入口・共同入口ではなく、購買課題の起点=問題認識として再整理されている。第三の入口や別の売上箱にはしない(出典: 11_FINAL_spine.md:L47, L73-L74)。

3-5. 3つの関係

C18aは買う理由、C04は最も見せやすい使用結果、C01は反復して使う習慣にあたる。同じ処方・同じ「手持ちの色を失敗少なく使う」約束を、前後で支える構造である(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L19)。

3-6. 未解決の接続(金曜の論点)

11_FINAL_spine.mdはW1×C04を主入口、C01を条件付き共同入口とし、C05/C07/C09は入口にしない、C11(夜)は初号の約束に入れないと確定している(出典: 11_FINAL_spine.md:L24-L30, L60-L64, L139-L149)。一方で7/22の確定記載は「機能軸は課題感の全体から探索」「あらゆるブランドと競合せず共存しながらメイク周りの課題感を解決する」とし、C04中心の絞り込みを明示的に再確認していない(出典: _kettei.md:L117, L122)。7/22が絞り込みを維持したのか射程を広げ直したのかは資料に明記されていない(要検証)。本書はC04主入口を維持する側で書いている。金曜に確定が必要。

3-7. 年齢の扱い

15_WHO_CEPマップ.mdは「15〜25歳中心」を目安として残し(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L156)、11_FINAL_spine.mdは「年齢はブランド定義にせず」と明記し(出典: 11_FINAL_spine.md:L42-L43)、7/22は「ターゲットをギャルに限定しない」「課題は全女性同じで強度がギャルは深い」と整理している(出典: _kettei.md:L116)。本書は7/22に合わせ、年齢を商品定義の主語にしない。


4. 競合の再定義

4-1. 共存する側(買い替えさせない対象)

4-2. 本当の競合(下地・プライマー・色補正)

商品 価格 訴求の核 出典
ナリスアップ ヌードリップミューター 1,320円 赤み地色を抑え淡色を見たまま発色 15A6_ナリスアップ.md:L6-L22(公式
Heart Percent オールカバー リップベース 1,760円・9色 くすみ・縦ジワ補正+上の色と混ざりにくい 15A6_リップ下地.md:L21
シュウウエムラ キヌケアCCオイル 5,170円・8色 悩み別カラー補正+93%スキンケアベース 15A6_リップ下地.md:L22
colorgram ギークヌードカラーカバーティント 1,210円・5色 色ムラカバー+次の色の発色 15A6_リップ下地.md:L23
RRRing カバーベース 1,430円 色素沈着・色ムラカバー(2026年5月全国発売) 15A6_リップ下地.md:L24
BANILA CO カバーリップベース 1,700〜1,900円・6色 元の唇色を残しトーン補正 15A6_リップ下地.md:L25
KATE リップカラーコントロールベースEX-1 発売時1,320円 黄みでくすみ補整(現行性は要検証) 15A6_リップ下地.md:L26/15A6_KATE.md:L25, L89-L90
RMK リップベースライナー 2,750円・2色 色補正+輪郭 15A6_リップ下地.md:L27
M・A・C プレップ プライム リップ 3,850円 表面・縦ジワ補整(色補正なし) 15A6_リップ下地.md:L28
SHISEIDO リップライナーインクデュオ 2,860円 透明プライマーで色ムラ補正→好みの口紅 15A6_バーム.md:L10, L30
excel リップケアブラー 1,540円 ケア+下地(現行性は要検証) 15A6_リップ下地.md:L156

読み取り: 価格は1,210〜3,850円に分布し、1,320〜1,760円に密度がある。訴求は「唇の地色を消す/トーンを補正する」に集中している。「手持ちの他社の色を、そのまま期待どおりに出す」を主軸に置いた商品は、この一覧では確認できない。

4-3. 現行行動(買われないという選択)

競合は商品だけではない。CEP別の現行行動は次のとおり(行動率はいずれも要検証)。朝、塗る前=手持ちの透明リップ、手持ちの下地、好きなリップだけで済ます、何も塗らない(出典: 15A6_競合地図.md:L53)。食後・人に会う前=手持ちの同じリップを塗り直す、透明リップだけ塗る、直さない(出典: 15A6_競合地図.md:L101)。長く塗り直せない前=落ちにくい口紅を選ぶ、落ちても直さない(出典: 15A6_競合地図.md:L113)。

C04で置き換えるのは「手持ちの同じリップをそのまま塗り直す」という行動である。この行動が色を濃く・汚くするという事実の実演が、そのまま訴求になる。

4-4. 今回確認した公開訴求・公開比較では確認できない領域

以下は市場に存在しないという断定ではなく、今回確認した範囲の公開情報では確認できなかった、という限定である。 1. 地唇の差による最終的な色のばらつきを縮める比較データ。既存のベージュ/灰/黄み/多色補正に対し、人と人の間のばらつき縮小を示したデータは確認できなかった(出典: 15A6_リップ下地.md:L108-L113, L120-L129)。 2. 食後・人に会う前に、地唇の補正と上の口紅を一工程で直す比較証拠。ニベア「リッチケア&カラー色持続タイプ」が食後の直しの場面を公式に名指しするが、落ちた色を戻した後に好きなリップを重ねても濁らない・ムラにならない専用設計の証拠は確認できなかった(出典: 15A6_競合地図.md:L97, L161/15A6_バーム.md:L103-L107)。 3. 複数ブランド・複数色・複数の唇状態を横断した重ね使いの比較データ。各社とも自社処方単独の訴求はあるが、他ブランドの手持ち口紅との組み合わせを条件別(唇色×乾燥×質感×時間経過)に比較した公開データは全社で確認できなかった(出典: 15A6_競合地図.md:L250-L266/15A6_ちふれ.md:L102-L103)。 4. 買ったが使えなくなった色を、色相を保ったまま使える状態に戻す用途。KATE「カラートナー」が近いが上から別の色に変える設計であり、色相を保つ適合表は確認できなかった(出典: 15A6_KATE.md:L112-L113)。

このうち3が、本件の設計と最も強く結びつく。手持ちの他社リップとの相性を条件別に持つこと自体が、後述の層2資産にあたる。


5. 商品体系マップと、残す資産

5-1. 前工程/後工程 × 部位

前工程=手前に仕込む。後工程=後から重ねて持たせる。両方を取ることが確定している(出典: _kettei.md:L115/MTG原文:L19-L22)。部位は唇→ネイル→目/まつ毛→将来インナービューティー(出典: _kettei.md:L114/MTG原文:L21-L22, L42)。

部位 前工程(仕込み) 後工程(コーティング・持たせ)
リップ 【初号・第一推奨】 食後に残った色を整え直し、上から重ねても濃くならない・ムラにならない状態を作る(C04主用途)。同一処方で朝の塗る前も成立することを実証できた場合のみ、朝の下地を副用途として追加(C01)(出典: 11_FINAL_spine.md:L26-L27, L45) 【第2候補】 仕上げに重ねて色持ちを支えるコート。初号SKUには入れない。既存カテゴリーとしてリップコートが存在する(出典: MTG原文:L19-L22)。機能仕様・処方は未定(要検証)
ネイル ベースコート相当。機能未定(要検証)。ネイル下地/コーティングの概念があることのみ確認(出典: MTG原文:L21-L22) トップコート相当。機能未定(要検証)
目/まつ毛 アイシャドウ下地、まつ毛用の前処理。機能未定(要検証) マスカラコーティング相当。既存の類似領域として言及あり(出典: MTG原文:L19-L22)。機能未定(要検証)
インナービューティー(将来) 摂取による唇・爪・髪の状態づくり。前後工程の区分自体が適用できるかを含め未定(要検証)(出典: MTG原文:L42) 同左(要検証)

5-2. 初号の再定義

現行の「ケアベースティント」案を、次のとおり定義し直す。主用途=C04(食後に残った色を整え直し、上から手持ちの色を重ねても濃くならない・ムラにならない状態にする)。副用途=C01(同一処方・共通手順でC04が合格した場合に限り追加。出典: 11_FINAL_spine.md:L27, L45, L72/11_F.md:L50-L58)。問題認識=C18a(買う理由として使い、別の売上箱にはしない。出典: 11_FINAL_spine.md:L47, L73-L74)。

入れないものは後工程のコート機能で、同じSKUに詰め込まず第2候補として別に置く。1商品に機能を集約しない方針(出典: _kettei.md:L114)とOEM制約(出典: MTG原文:L24)の両方に沿う。

5-3. 拡張の順番

拡張は「同じCEPを深くする→同じ人の隣接CEP→同じ規則を使える隣接カテゴリー→別のWHOなら別ブランド」の順とする。本件では、色・レフィル・ケース、食後・人に会う前、頬の順を先に検討し、夜は3手目に置く(出典: 15R4_ポートフォリオ初手.md:L43)。

7/22で確定した部位横展開は「同じ規則を使える隣接カテゴリー」に相当すると読めるが、その接続を明記した資料は確認できていない(要検証)。ネイル・目/まつ毛へ進む前にリップ内の深掘り(色・レフィル・ケース)を置くかどうかは金曜の論点になる。

5-4. 層2として残る資産

資産化の対象は2つと確定している。①占有CEPが自走する状態にあるブランド、②自社で保有する顧客基盤・一次データ・直接の関係(出典: _kettei.md:L50-L52)。層1は単一ブランド内の占有CEPの束、層2はこの2つの蓄積であり、1号ブランドは入口にあたる(出典: _kettei.md:L54)。HJの実験速度とマテリアルのPRは初速を上げる力であって、資産化の対象ではない(出典: _kettei.md:L49)。この区別を外向き資料でも社内でも崩さない。

残る資産はSKUの数そのものではなく、次の4つである。

  1. 商品を横断する識別資産: 主記号の色+容器のシルエット+共通のジョイント。買い手が引き継ぎたいのは、商品群を横断する視覚資産・ケース保有者・規格に接続する次のSKUの余地である(出典: 18_ブランド識別方向.md:L107)。売却時に評価されるのは初回商品の話題性ではなく、発信者を外しても認知・再購入・商品拡張を支える識別資産・容器規格・使用知・権利とデータの束である(出典: 18_ブランド識別方向.md:L117)。
  2. 手持ちのリップとの相性データ・使用データ: 唇の状態×手持ち口紅×質感×時間の適合データを継続的に貯める。4-4の3に対応する。ただし単発の比較データだけでは競合も追随できると資料自身が留保している(出典: 15A6_ナリスアップ.md:L121/15A6_リップ下地.md:L129)。
  3. 同意の範囲内の顧客との直接の関係: JVを顧客情報の取得・管理の主体とし、別ブランドへ個人単位のデータを無条件で流用せず、同意の範囲内の集計知見と商品開発の手順を再利用する(出典: 15R4_ポートフォリオ初手.md:L44)。
  4. 共通規格と使用手順: 色体系、容器の共通規格、使用の動作、撮影・店頭・ECの一貫性(出典: 21_moat設計.md:L25)。価値の重心は「ベースカラーの選び方・重ね方・使う時点の標準」に置かれ、競合が模倣できるのは処方・容器・名称・コピーという表層のみと整理されている(出典: 21_moat設計.md:L9, L24-L26, L36-L42)。この整理は社内の論理であり、外部の実証は付されていない(要検証)。

6. 機能の実証設計

機能で差が出なければ成立しない(出典: _kettei.md:L117)。以下は11_F.mdの検証モデルの要点。現状、OEM回答・試作品データ・Audience Analytics・W1スクリーナー・正価購入実績が未提供のため、二条件とも未合格と宣言されている(出典: 11_F.md:L14)。

6-1. C04の主評価

6-2. 必須の副評価と、合格・停止の条件

副評価は、濃くなる、濁る、ムラになる、乾燥感、つっぱり、縦ジワ、上に塗った色のヨレ、手順の負担。本人の評価と第三者による外観評価を分けて取る(出典: 11_F.md:L45)。合格は、主評価で実務上意味のある優位を示し、かつ必須項目の最低線を割らないこと。安全・法規は1項目でも不適合なら停止し、総合点で相殺しない(出典: 11_F.md:L46)。

6-3. C01の追加評価

C04に合格した処方のみを対象とし、既存の下地(ナリス等)と別立てで比較する。成立する色と成立しない色を分け、「すべての色に合う」とは判定しない。C04不合格時の救済には使わない(出典: 11_F.md:L50-L58)。

6-4. 相性の範囲

複数ブランド・複数色・複数の唇状態・時間経過を横断した条件別の比較を取る。ここで得た適合の範囲が、外向きに言える範囲の上限になる。これを超えた包括の言い方(あらゆるブランド、どんなリップにも)は使わない(出典: 15A6_競合地図.md:L250-L266/11_F.md:L50-L58)。

6-5. HJ内部到達の3段階

①媒体監査(年齢・女性比率・国地域・重複を除いた到達)②W1スクリーナー(複数色使用・重ね塗り・食後の濃化/濁り/ムラ・発生頻度)③正価購入(同一SKU・同一価格の追跡可能な有料予約または少量販売)。3段すべてを満たす必要があり、1つでも未合格なら全体を未合格とする。最低有効標本・該当率・許容CACは数値未設定で、HJ内部到達は現時点で未合格(出典: 11_F.md:L65-L71)。

6-6. 数値の扱い

既存ドラフトのCVR・選択率・使用率・再購入率の数値は外部基準として未確認のため不採用。各検証の前に、問い・優先順位・比較対象・最低有効標本・最小差・価格/CAC・データ利用の同意範囲・合否時のアクションを事前登録する(出典: 11_F.md:L133-L141)。合格数値はすべて要検証。


7. ギャルの使い方

7-1. 位置づけ

ギャルは課題強度の象徴であり、表現検証の入口である。課題は全女性で同じで、ギャルはその強度が深いという整理が確定している。ターゲットをギャルに限定しない、HJリスト全員起用の発想は採らない、アンケートは取らない(出典: _kettei.md:L116/MTG原文:L46-L50)。絞り込みすぎると色展開が狭まり売れなくなるリスクがある、という理由も述べられている(出典: MTG原文:L48-L50)。

7-2. egg/nutsの使い方(採用と非採用)

7-3. 識別の分離

eggでは同じ商品で表現テストだけを先行させ、購入テストは年齢別に分けて実施する(出典: 15A4_HJ実像.md:L200)。20代以上の獲得広告・自社EC購入者分析・CRMは別の識別番号で管理する。10代の再生・いいねが大きくても、20代以上の購入転換が低ければ価格や中心顧客を変更しない(出典: 15A4_HJ実像.md:L152)。

7-4. 未確認

egg・nuts・I LOVE mama・みりちゃむ・Alisa Ueno各媒体の実フォロワーの年齢構成、女性比、正価購入への転換、保存率はいずれも要検証(出典: 15A4_HJ実像.md:L38-L43)。20歳以上の女性への実到達と正価購入もHJの公開情報からは確認できていない(要検証)(出典: 15_WHO_CEPマップ.md:L11)。


8. 3つの罠と、その設計

罠1: 使用頻度と回転率が下がる

問題: この位置づけの結果、使用頻度が下がり回転率が長期的に下がる可能性がある、という発言が議事録にある(出典: MTG原文:L25)。ただし「使用頻度低下を補うリピート構造」という枠組み自体を直接述べた記述は、確認した範囲の社内資料には見つかっていない(要検証)(出典: 11_FINAL.md:L880, L1194, L1546)。

設計: 同一SKUの補充だけに頼らない。次の5本でLTVを組む。

  1. 複数の手持ち色にまたがる習慣化: 1本の好きなリップに対してではなく、手持ちの複数の色に対して同じ手順を使う状態を作る。使う色が増えるほど使用回数が増える。
  2. 適正容量と消尽窓: 容量を、想定する週の使用日数から逆算して決める。使い切る時期に合わせた再購入を判定する設計(M4系)が社内にあるが、合格ラインの数値は仮置きであり要検証(出典: 11_FINAL.md:L1192-L1209)。
  3. 正価での補充: 値引き購入者の継続率と、値引きなしの購入率を分けて追う。ただしこれは化粧品ブランドにおける直接の因果証明ではない(出典: 17_価格プレミアム.md:L54)。
  4. 役割別のクロス購入: 前工程と後工程、部位違いを、同じ人が別の役割として買う。レフィル・チャーム・セットは購入単価を上げる目的では使わず、持参率・使用頻度・再購入で判断する(出典: 17_価格プレミアム.md:L46, L56, L65, L72)。
  5. 同意を得た相性プロフィール: 唇の状態と手持ちの色を登録してもらい、次に買う色の精度を上げる。同意の範囲内で集計知見として使う(出典: 15R4_ポートフォリオ初手.md:L44)。

収益の仕組み: 1人あたりの年間購入本数を、同一SKUの補充回数ではなく「役割数×補充回数」で設計する。役割が増えれば、1役割あたりの使用頻度が低くても年間本数は積み上がる。

検証指標(すべて事前登録・数値は要検証): ①週の使用日数 ②組み合わせて使った手持ちの色の数 ③消尽窓の中での正価再購入率 ④役割をまたぐクロス購入率 ⑤粗利貢献/CAC。

除外: 早期の2回目注文(D0+45日時点の2回目決済)は補充の再購入と区別し、合否指標に使わない(出典: 11_FINAL.md:L1196)。


罠2: 位置づけが安い価格を呼び込む

問題: 「補助的な役割だから安いはず」という受け取られ方が起きると、正価が通らなくなる。なお、安価圧力についての直接の言及は7/22の議事録には確認できない(要検証)。

設計: 役割名を消費者向けの価格の説明に持ち込まない。価格の根拠は次の5つに置く。①相性の証明(唇の状態×手持ち口紅×質感×時間の条件別データを持ち、成立する範囲を示せる)②失敗の減少(買った色が使えなくなる経験を減らす。買い直しの金額と比較できる)③感覚の品質(使用時の質感・手順の軽さ。第6章の副評価がそのまま根拠になる)④識別資産(容器・記号・規格の一貫性。出典: 18_ブランド識別方向.md:L107)⑤一貫した使用体験(発信者・EC・店頭で言葉と手順が同じ)。

2,000円超を選ばせている実例の共通要素は、処方の使用試験による証拠化、色数を絞った選びやすさ、容器の携帯・衛生上の実益、発信者・EC・店頭での言葉の統一の4つと整理されている(出典: 17_価格プレミアム.md:L26-L35)。「2,000円の壁」は市場全体で実証された閾値ではなく、プチプラ集中帯(770〜1,980円)と上位帯の境目として扱われている(出典: 17_価格プレミアム.md:L10-L11)。

価格の第一推奨: 正価2,420円を中心に、1,980円/2,420円/2,970円の3水準で正価購入テストを行う。

不整合の明示(金曜の決定事項): 17_価格プレミアム.md:L8は初期主力SKUを2,420〜2,970円(税込・目安)とする一方、11_FINAL.mdの複数箇所(B3価格テスト等)は1,980円/2,200円を検証対象としている。15A4_HJ実像.md:L39(nuts)は1,980/2,420/2,970円を正価テスト候補とする。3ファイルの前提が一致していない。どれを正本とするかは要検証・金曜決定。

値引きの扱い: 値引きで結論を出さない。McKinseyの調査で、美容の経営者の33%が値引きの削減を優先すると回答したと資料が引用している(出典: 17_価格プレミアム.md:L52、McKinsey)。ただし、恒常的な値引きが将来の売却評価に不利になるという推論の実証は、社内調査では確認されていない(要検証)(出典: 17_価格プレミアム.md:L54)。

検証指標(数値は要検証): ①各価格での正価予約率 ②価格提示前後の購入意向の差 ③割引購入者と正価購入者の継続率の差 ④価格帯別のCAC。


罠3: 思い出してもらえない

問題: 前後で支える立場のため、使う人から感謝されにくく、想起されにくいのではないか、という自己認識が議事録にある(出典: MTG原文:L24)。

設計: 想起は、次の6つを繰り返し同じ形で見せることで作る。

  1. 呼称の固定: 動作を指す言葉を「整える」に固定する。塗る・直す・重ねるではなく「整える」を全接点で使う。
  2. 問題場面の固定: 食後・人に会う前という1つの場面に絞る。場面を増やさない。
  3. 使用動作: 手順を1動作に固定し、動画でも店頭でも同じ動作だけを見せる。
  4. 固有記号: 社内の現行案は「一整えサイン」=濃い赤茶#5A3038の縦線1本+同色の円1個。比率と位置を容器・外箱・投稿・EC・棚で変えない(出典: 11_FINAL.md:L298-L316)。本書はこれを第一推奨の識別候補として扱う。ただし美的な最終判断はHJと関に返す。
  5. 接点の一貫性: 容器・外箱・投稿・EC・棚で、記号・言葉・手順を変えない(出典: 18_ブランド識別方向.md:L107/21_moat設計.md:L25)。
  6. 組み合わせの実演: 好きな他社のリップと組み合わせて使う様子を、繰り返し見せる。実演の対象を自社商品単体にしない。

想起の仕組み: 先に想起されるのは商品名ではなく「食後に色が濃く・汚くなる」という問題と、その解き方である。両者が結びつけば商品名の想起は後から付く。したがって露出の評価軸を認知率ではなく「問題の言い当て率」に置く。想起が立つと正価での指名購入と補充が増え、罠1・罠2と接続する。

検証指標(数値は要検証): ①「食後に色が濃く・汚くなる」という問題を自分の言葉で言える人の割合 ②記号の再認率(ブランド名を隠した状態) ③指名検索数 ④他社リップとの組み合わせを含む利用者投稿の件数 ⑤EC直販での指名流入比率。

注記: ブランド保有のサテライトアカウントが新規顧客やブランド想起を増やすという因果効果について、公開された一次実験は確認できていない(要検証)(出典: 15A5_SNS着火.md:L228)。


9. 金曜(7/24 9:30)に決める5項目

決定1: ブランドの核の言葉

決定2: 1号の入口CEPと役割

決定3: 価格の正本

決定4: 2号と展開の順番

決定5: 機能のGo/No-Go条件


主要参照資料一覧