インパクトHD × マテリアル|新サービス共同事業 提案書

PR連動型
店頭改善プログラム(仮称)

PRで作った資産を、棚の回転に変える。そのために、競合を含めて棚の現状を実測し、何をどこに足せば回転が上がるかを設計して、店頭で実行し、効いたかを確かめる。本書は、インパクトHDとマテリアルが共同で立ち上げるこの新サービスの事業提案である。全国3,303店を回るラウンダーが撮影した棚画像をAIで診断し、競合に棚を明け渡しているカテゴリと店舗を特定する。特定した棚はラウンダーが店頭で直し、翌月の画像で結果を確認する。あわせて、マテリアルがPRで作った露出を棚前のPOPに変換し、値引きに頼らずに棚を確保する。記載した棚の数値はマンダムの実棚画像から機械抽出した実測値で、需要・気温・POS順位は外部の公開データを接続した。売上と利益は、先方からPOS・原価・販促費の提供を受けて判定する。

48%全国の棚シェア
13実測チェーン
82.5%母集団カバー
3,303店母集団店舗数
1,784解析カード
2ブランドで汎化実証

▸ 診断ダッシュボード(S1)を実データで触る

2026-07-19 / 共同事業検討資料 / 実証=マンダム GATSBY(13チェーン・1,557カード)+ Bifesta(5チェーン・227カード)=計1,784カード/全国母集団3,303店のうち3,302店を地域確定(残1店は「一時閉店」表記で確定できず)

機会

店頭には、単独では解けない三つの課題がある

棚の負けは、見えている。直せていないだけ。棚シェアで競合に劣後している事実は、画像を解析すれば把握できる。しかし、把握と改善のあいだが埋まっていない。この三つの課題は、調査会社にもPR会社にも単独では解けない。インパクトHDのラウンダー網とマテリアルのPRが組み、AIの画像診断が両者を同じ数値でつなぐことで解決できる。だから新サービスとして成立する。

  • 分断:クライアント社内は広告宣伝部と営業・トレード部で割れている。宣伝部は大きな予算を持つのに、棚の実態を把握していない。営業は値引き・販促原資で棚を買うのに、その効果は測られていない(テレビなどのマス広告には効果測定の文化があるが、店頭販促原資にはない)。利益を問うのは経営だけ。三者が同じ数字を見ていない。またいで提供する会社がいない。
  • 実装:棚が決めた通りになっていない。調査で状態は分かっても、現場を直す実行機能がない。メーカーも流通も現状を把握しきれていない。
  • 話題:店頭の訴求は価格に偏っている(実証断面=ドンキ238枚では価格62件に対しSNS・テレビ話題は3件)。テレビ・SNSで作った話題が、棚前の言葉になっていない。露出と棚がつながっていない。

なぜ、この二社なのか

インパクトHDは全国のラウンダー網と22年分の店頭画像を持つ。マテリアルはメディア露出とSNSの話題を作り、それを棚前で使えるかたち(訴求文・POP・掲出計画)にして渡す。片方だけでは解けない課題が、二社が組むと解ける。AIの画像診断が、PRと店頭実行を同じ指標(棚の数値)で接続する。

顧客が実際に困っていること

サービス全体像

PRで作った資産を、棚の回転に変える

メーカーはPRと広告に投資して、露出・第三者評価・話題という資産を作っている。しかしその資産は、棚の前まで届いていない。本サービスはその資産を棚で回収して、回転に変える。そのために、競合を含めて棚をどう分析するか、どんな示唆を出すか、何をどこに足すか、店頭でどう実行するか、効いたかをどう測るか——この一周を毎月回す。回るほどデータが溜まり、診断精度が上がり、効く打ち手が絞れていく。作業の受注から、継続契約の事業へ変わる。

なぜPRが前提なのか ① いま、回収されていない

実証断面(ドンキ238枚)で、店頭の訴求の内訳は価格62件・売上No.1 43件・限定42件に対し、テレビ・SNSの話題は3件。別ブランドのBifestaは5チェーンとも0件だった。PRに投資して作った露出も話題も、棚の前ではほぼ使われていない。これは意識の問題ではなく、露出を作る側と棚を動かす側が別会社で、つながっていないという構造の問題である。

なぜPRが前提なのか ② 露出は消えるが、棚の一行は残る

テレビの放送も、SNSの話題も、数日から数週間で消える。しかし「◯月◯日放送の番組で紹介」という一行は、棚に貼れば数週間から数か月そこに立ち続ける。PR資産は、棚に二次利用して初めて寿命が延び、投資が回収される。棚は、PRのいちばん安い延長装置である。

なぜPRが前提なのか ③ ただし、棚が受け皿になっていなければ回収できない

話題を作っても、その週に商品が欠品していれば投資はそこで消える。棚で自社が分散していれば見つけてもらえない。競合が同じことを言っていれば差にならない。だから本サービスは、PRの二次利用だけを売るのではなく、「受け皿を作る」ところから引き受ける。棚の実測も、競合訴求の測定も、欠品の補修も、すべてPR資産を棚で回収するための前提整備として位置づく。この二つが同じ体制の中にあることが、この共同事業の実体である。

STEP 1

分析
競合を含めて、いま棚はどうなっているか

ラウンダーが撮った棚画像をAIが解析し、カテゴリ×チェーン×地域の棚シェア・競合フェイス・競合の訴求内容・エンド獲得・欠品・PR資産が棚に出ているかを月次で数値化する。同時に棚の外側(検索需要・気温・話題の量と語られ方)を同じ粒度で並べる。自社の棚だけを見ても、負けの理由は出ない。

棚画像診断+外部変数(二社)

STEP 2

示唆
その数字から何が言えるか

数値を並べただけでは打ち手にならない。負けが全社の問題か特定カテゴリの問題か/棚が無いのか、あるのに選ばれていないのか/需要期に間に合っていないのかまで切り分ける。ここで出すのが未充足需要マップと需要文脈カード。

示唆の抽出(二社)

STEP 3

打ち手
何を足せば回転が上がるか

示唆に対し、商談の勝率を上げる材料(バイヤー提案パック)と、棚前の勝率を上げる訴求(第三者評価・メディア露出・話題・使用者の言葉)を作る。マテリアルはPRテーマ・SNSとインフルエンサー施策・訴求根拠の選定と表示ルール確認・POP文案と制作データ・掲出優先店リスト・露出週の展開計画を作る。

PR・訴求設計(マテリアル)

STEP 4

実行
それを売場に足す

マテリアルはPR施策を実施する(メディアへの働きかけと露出の獲得、SNS発信とインフルエンサー起用、制作物の納品)。インパクトHDは店頭で実装する(棚交渉、什器・POP設置、二次展開、欠品確認)。露出の前に棚を作り、露出の週は欠品を止め、露出の後は言葉を棚に残す。

PR実施(マテリアル)+店頭実装(インパクトHD)

STEP 5

検証
回転に効いたかを測り、次に返す

掲出した店と、条件の近い未掲出店の差(差分の差分=DiD)で、棚シェア・売上・利益に効いたかを判定する。棚が直ったかだけでなく、価格に頼らず取れたか、需要期に間に合ったかまで見る。効いた言葉・効かなかった言葉は訴求ライブラリに記録し、翌月の分析の入力に戻す。

効果検証+学習(二社)

棚に足せるものは八つ。受け皿 → 回収 → 器の順に当てる

棚に足せるものは無限にはない。実際に足せるのは次の八つで、PR資産の回収という目的から見ると三つの群に分かれる。

足せるのは訴求だけではないし、いちばん速く効くのも訴求ではない。順番を間違えると、良い訴求を出したのに棚に商品が無い、ということが起きる。

棚に足すものなぜ回転が上がるか効きの速さ前提・必要なもの担当
① 欠品の解消・前出し
受け皿
買えない状態を無くす。回転を止めている原因を直接外すので、最も確実即効いま測れている(画像)インパクトHD
② 棚の並びをまとめる
受け皿
棚内で自社が分散していると見つけてもらえない。並べ直すだけで発見率が上がる(①段)即効いま測れている(画像)。棚割の範囲内で実行インパクトHD
③ 棚の一行(POP)
回収
PRで作った露出・第三者評価・話題を、競合が言っていない軸で棚の一行にする。選ぶ理由を価格以外に作る(③段)1〜2巡回競合訴求マップ(デオはパイロット実測済・後述+表示ルールの確認マテリアル→インパクトHD
④ 選び方の提示
回収
迷って買わずに離脱する客を減らす。棚前の意思決定が速くなる=回転が上がる1〜2巡回ブランドの現行設計を棚の言葉に翻訳するマテリアル→インパクトHD
⑤ カテゴリをまたぐ導線
回収
隣のカテゴリで得ている信頼を渡し、併買を作る(スタイリング⇄ヘアカラー)1〜2巡回カテゴリ別実測から設計。関連陳列は店・本部の許可両社
⑥ フェイス数・棚位置
見つかる確率が上がる(①段)。効果は大きいが、棚を動かすので商談が要る改訂サイクルバイヤー提案パック(棚の原資を含む)商談+実行
⑦ 二次展開・エンド
棚の外に接点を増やし、思い出すきっかけを作る。ただし販促原資を使う企画サイクル店頭販促原資。ROIを検証しないと利益を削る商談+実行
⑧ 露出週に合わせた掲出
回収
外で作った需要を棚で受け止める。掲出が無いと露出の投資がそこで消える露出計画に同期露出の日程と巡回計画を同じカレンダーに載せるマテリアル+インパクトHD

回転そのものはPOSでしか確定しない。だから最初に当てるのは欠品である

画像だけで確定できるのは欠品率・棚の充填率・掲出率・フェイス数・棚位置であって、回転そのものではない。ただしこれらは回転を止めている側(ボトルネック)を直接押さえる指標である。なかでも欠品は、回転を止める原因として最も直接的で、しかもいますぐ測れて、いますぐ直せる

だから導入の順番は、①②から入り、競合訴求の測定が済み次第③④⑤を重ね、⑥⑦は商談と原資が整ってから当てる。③以降だけを先に売ると、棚に商品が無い状態に良いPOPを貼ることになる。回転の確定判定は、月次・店別POSの提供を受けたあとに、対照店との差(DiD)で行う。

実データで、一周を通すとこうなる

抽象論にしないため、今回の実測値で二つの例を一周ぶん通す。いずれも数字はマンダムの実棚画像から機械抽出した実測値である。

例A:マツキヨ × ヘアカラー(負けているカテゴリ)例B:GATSBYデオ × 6-7月(需要期)
1 分析全国最大903店のマツキヨは全カテゴリ通算の棚シェア42%で、実測13チェーン中で最も低い。内訳はヘアカラー16%・除毛18%が低く、デオは55%と取れている制汗剤の検索需要は気温と+0.78で連動する。需要期の6-7月は、需要の伸びに棚シェアが追いつかない(差=+1.31/+0.98)。2〜4月は先行構築ができている
2 示唆全社的な負けではなくカテゴリ固有の負け。しかも全国最大チェーンなので、これが全国値を押し下げている。ヘアカラーは棚前の検討時間が長く、価格より「選び方」と第三者評価が効く余地がある直す時期は需要期ではなく、その前。6月に動いても、次の巡回では需要期が終わっている。仕込みは2〜4月
3 訴求ヘアカラーが語られている場面(セルフで失敗したくない・色落ち・白髪はじめ)を月次で観測し、その場面に合う第三者評価と使用者の言葉をPRで作る。バイヤーには「この地域で需要が立っているのに、御社のヘアカラー棚は16%」を1枚で出す2〜4月に商談材料を出し、棚とフェースを先に取る。露出は需要の立ち上がり直前に当て、掲出物を巡回に先回りして配る
4 店頭マツキヨの中でも棚が薄い店から優先訪店。棚札とシェルフトーカーで「選び方の一行」を出す。露出週は欠品を止める重点店の棚を需要期前に確保。露出週の欠品検知を最優先に置く。掲出率と掲出位置を画像で記録
5 検証掲出店と非掲出店の差でヘアカラーの棚シェアの動きを判定。効いた言葉を訴求ライブラリに記録し、他チェーンのヘアカラーへ展開需要期の棚シェアを対照店との差で判定し、翌年の仕込み時期を補正する

ポジショニング(他社が同じ内容を名乗れない理由)

本サービスは、全国ラウンダー網、22年分の店頭画像、PR設計、画像診断を用いて、棚の診断から売場実装、効果検証までを月次で行う店頭改善サービスである。既存プレイヤーの提供範囲は、調査会社が現状把握、リテールメディアが広告配信、POS系サービスが結果把握までにとどまる。診断から実装、検証までを一体で提供できるのは、この二社の組み合わせに限られる。加えて、PRで作った露出を棚前の購買理由に変換し、営業が値引き原資を使わずに棚を確保する経路は、露出を作る側と店頭を動かす側が同じ数値を参照する体制で初めて成立する。なお本サービスは「AI棚分析」「可視化」とは名乗らない。どの事業者でも名乗れる表現であり、差別化にならないためである。

STEP 1 の画面を、実データで触る

診断ダッシュボード(S1)のモックを用意した。カテゴリ×チェーン×地域のヒートマップ、競合内訳、店舗別指示書まで、棚の数字はすべてマンダムの実棚画像から機械抽出した実測値が入っている(重ねてある需要・気温は外部の公開データ)。→ 店頭診断ダッシュボードを開く

サービス構成

本体は診断ダッシュボード(S1)と棚取り返し(S2)。残る4本は拡張

診断ダッシュボード(S1)で棚の状態を見えるようにし、棚取り返し(S2)で棚を改善する。この二つが本体で、残る4本(S3〜S6)はPR連動・実行改善・効果検証を追加する拡張サービスである。以下、記号は名前の略称として使う。

S1

店頭シェア診断ダッシュボード

入口・低価格の診断。自社と競合の棚占有をチェーン別・カテゴリ別に数値化。営業・宣伝・経営が同じ数字を見る(ロール別ビュー)。

主な買い手ブランド/営業企画/カテゴリ担当
課金ロジック月額+チェーン数+店舗数+カテゴリ数
競合が真似しにくい理由ラウンダー網・22年分画像・診断ルールを同時に持つ
最初のKPI棚シェア算出精度・診断店舗数・月次更新率
S2

棚取り返しプログラム

本体・棚取り返し。劣勢カテゴリの棚・フェイスを増やす営業打ち手を作る。重点は需要期(6-7月)の棚を守ること。

主な買い手営業本部/リテール営業
課金ロジック診断費+施策設計費+実装費
競合が真似しにくい理由診断を店舗別訪店指示に落とし現場で直せる
最初のKPI劣勢カテゴリのフェイス増加率・棚シェア増加pt・改善完了率・価格訴求依存度(ガードレール)。拡大するのは、投資後貢献利益が正と確認できた施策から
サービス提供内容主な買い手位置づけ
S3 話題・評価POP(店頭クレデンシャル)テレビ・SNS・受賞・口コミから使える根拠を選び、表示ルールを確認したPOP文案と制作データにして渡す。値引きに頼らず棚を取るための材料(訴求の型とPOP形式は後述宣伝部/PR部/販促企画PRを乗せる拡張
S4 販促什器ROI検証店頭販促原資(什器・二次展開費)が売場に実装されたかを画像で実測。売上・ROIはPOS連携後にDiDで検証営業企画/トレードマーケ什器ROI検証
S5 PR連動・店頭作り込み発表日から露出週までのメディア・SNS計画とPOP・制作データ・チェーン別掲出計画を渡し、露出の週に店頭を作り込むPR部/宣伝部/営業企画PRを乗せる拡張
S6 欠品・薄棚の検知&補修欠品・薄棚・前出し不備を検知し機会損失を防ぐ営業本部/SCM/ラウンダー管理欠品補修(実行改善)

入口が診断ダッシュボード(S1)、本体が棚取り返し(S2)、マテリアルのPRを乗せる拡張が話題・評価POP(S3)・什器ROI検証(S4)・PR連動店頭(S5)、小売にも価値がある実行改善が欠品補修(S6)。話題・評価POP(S3)とPR連動店頭(S5)でマテリアルが作るのはPRテーマ・SNSとインフルエンサー施策・訴求根拠の選定と表示ルール確認・POP文案と制作データ・掲出優先店リスト・露出週の展開計画で、それを店頭に実装するのがインパクトHDのラウンダー。欠品補修(S6)は「売れているように見せる演出」ではなく、実在する欠品・薄棚の検知と補修に限定する(後述の話題化施策は景表法・表示ルールの確認を前提に別扱い)。

6本は、それぞれループのどこに乗るか

① 診断S1 棚シェア診断S6 欠品検知
② 設計S2 取り返しS3 話題POPS5 PR連動
③ 実装S2 取り返しS3 POPS4 什器S5 PR連動S6 補修
④ 検証S4 什器ROIS5 PR効果S6 欠品+POS

どのサービスも単発ではなく、毎月のループのどこかに位置づく。だから積み上がり、継続契約になる。6本を貫く目的関数は棚シェアの最大化ではなく、利益を伴う適時・持続可能な棚。6本のサービスはそのレバー。

非価格で棚を取るとは、具体的に何をするのか

「値引きに頼らない」と言うだけでは実務にならない。棚前で価格の代わりに購買理由になる訴求には型があり、型は「その一行を書くために、社外の誰かが必要かどうか」で二つに分かれる。この線引きが、本サービスでマテリアルが担う範囲を決める。

A. 自社の中に根拠がある型(メーカー単独で書ける。マテリアルの役割は文案編集と表示ルールの確認にとどまる)

訴求の型棚での書き方(例)必要な根拠表示上の制約
承認効能・機能汗・ニオイを抑える当該SKUの医薬部外品承認内容承認された効能の範囲を超えない。効果の保証・最大級表現は不可
使用場面・悩み起点夕方のニオイ対策に承認効能+使用実態調査不安を過度にあおらない。効能を示す場合は承認内容と整合させる
仕上がり・使用感白残りしにくい処方自社試験の方法・条件・対象比較対象が不明な最上級表現は不可。安全性を断定しない
選び方の支援汗の日はスプレータイプラインアップ仕様・使用方法他剤型を不当に劣って見せない
客観的な実績(No.1)メンズ制汗剤 売上No.1POS集計者・対象商品群・期間・範囲調査主体と条件を近接表示。広告主が根拠を確認する責任を負う
新規性・限定数量限定 夏の香り発売日・数量・対象店・終売予定限定の実態を特定できること。終了後は即時撤去

B. 外に事実を作らないと、そもそも一行も書けない型(根拠が自社の外にしか存在しない)

訴求の型棚での書き方(例)その事実は誰が作るか表示上の制約
メディア露出◯月◯日放送の番組で紹介紹介されるまでは事実が存在しない。露出を作り、放映事実を記録する側が必要日付と事実に限定。番組名・ロゴ・出演者名・画面写真の転載は権利者の許諾が必要
第三者評価・受賞◯◯アワード受賞受賞・評価の獲得と、主催者・年・部門の確認受賞対象のSKUと年を限定して書く
SNSの話題指定語句の投稿◯件(期間明記)話題の設計・インフルエンサー起用と、媒体・期間・検索語を定めた集計集計条件を明記。「バズっている」等の曖昧な表現は使わない
生活者の言葉「◯◯だから続けられる」(使用者の声)投稿・調査から言葉を集め、許諾を取る作業投稿者の利用許諾と第三者の写り込みを確認。依頼投稿は広告主表示を明示

実証断面(ドンキ238枚)で実際に使われていたのは、A群に属する価格62件・売上No.1 43件・限定42件。B群は3件。B群が空白なのは、メーカーが書き方を知らないからではない。棚に書ける事実が作られていないか、作られていても棚まで運ばれていないからである。事実を作る側(PR)と棚に運ぶ側(ラウンダー)が別会社で、両者がつながっていない。この分断が、価格訴求に寄る構造的な理由である。

前提の置き直し:目的は「棚前で、競合より選ばれる確率」を上げること

ここまで棚シェアを指標として使ってきたが、棚シェアは目的ではない。棚シェアは「自社フェイス ÷(自社+競合フェイス)」という相対値であり、棚前で競合より選ばれるかどうかの結果として動く数字である。順序はこうなる。

選ばれる確率
棚前で競合より選ばれる

ここを上げないまま棚だけ取っても、回転が落ちて次の改訂で棚を失う。最初に設計するのは訴求である。

回転
売れる速さ

選ばれる確率が上がると、同じフェイス数でも回転が上がる。

棚を増やす理由
バイヤーの判断

バイヤーが見るのはカテゴリの粗利額と回転。回転が上がって初めて、棚を増やす理由になる。

棚シェア
結果として動く

棚が増え、欠品が減る。値引き原資を使わずに取れた棚は、次の改訂でも残る。

利益
投資後貢献利益

最終の目的関数。棚シェアはその途中にあるレバーにすぎない。

したがって、この事業で最初に解くべき問いは「棚前で、競合ではなくこちらが選ばれるには、何をどう訴求するか」である。バイヤー商談も、値引きに頼らない棚も、すべてここから出てくる。

その前に、役割の棲み分けを決めておく

ここで扱う「訴求」は、ブランドが何を言うべきかを決め直すことではない。誰に・何を・どの言葉で伝えるか(WHO/WHAT)は、メーカーがすでに調査を重ねて決めている領域である。本サービスはそこに手を出さない。受け取って、前提として使う。

決めるもの誰が決めるか本サービスの関与
WHO 誰に売るかメーカー(調査済み)受け取る。作らない
WHAT 何を言うか
ブランドの立ち位置・便益・コミュニケーション設計
メーカー(調査済み)受け取る。作らない
WHERE どの店・どの棚で本サービス棚の実測から決める
WHEN いつ出すか本サービス需要期と露出週から決める
HOW 棚の上でどう出すか本サービス掲出形式・棚の一行・掲出条件
成立したか 効いたか本サービス競合と並べて実測し、対照店との差で判定

だから、出す示唆は「WHATの作り直し」ではなく「WHATの店頭成立度」

メーカーは調査してブランドを決め、広告とPRに投資している。しかしその主張が棚まで生き残っているか、棚の上で競合の主張に勝っているかは、誰も測っていない。ここが本サービスの領域である。問いは一つ——決めたことが、棚で起きているか。

示唆の型何を突き止めるか測り方
① 翻訳ギャップブランドが決めた便益が、棚では何に置き換わっているか。実測238枚のうち147件(62%)は価格・売上No.1・限定であり、これはブランドが定義した便益ではなく売場都合の言い換えである可能性が高い棚の掲出物を、ブランドの現行コミュニケーション設計と同じ分類コードで数える
② 相対ギャップその主張が、競合の棚上の主張に対して差になっているか。机上で差別化していても、棚の上では同じことを言っている場合がある訴求重複率・空白軸率(競合訴求マップ)
③ 成立条件のギャップその主張が効く場所と効かない場所。ブランドは全国一律に設計するが、棚はチェーン・地域・カテゴリ・季節で違うチェーン×地域×カテゴリ×月の実測に、掲出有無を重ねる
④ カテゴリ間の断絶決めたブランド像が、カテゴリをまたいで棚に反映されているか。ひとつのカテゴリで勝てていても、隣に渡っていないことがある同一ブランドのカテゴリ別棚シェアと、掲出訴求の一致度

この四つは、いずれもメーカーの調査では出てこない。調査は「何を言うべきか」までを決めるものであり、「それが全国3,303店の棚でどうなっているか」は対象外だからである。逆に、本サービスがブランドの立ち位置を決め直そうとすれば、メーカーのマーケティング部門と役割が衝突し、しかも調査の蓄積で負ける。上流には手を出さず、下流の成立だけを引き受ける。そのかわり、そこは誰も引き受けていない。

選ばれるまでに越える段は三つ。三つ目を、今回パイロットで測った

ここで脱落する理由どこで観測できるか打ち手実測状況
① 見つかる棚に無い(欠品)、フェイスが少ない、棚位置が悪い、そもそも棚区画が小さい店頭画像棚・欠品・区画測れている
② 候補に入る誰向け・何用かが3秒で判別できない。棚で自社の並びが分断されている店頭画像(棚の見え方と訴求内容)訴求・棚の組み方自社側のみ
③ 競合ではなくこちらを選ぶ競合と同じことしか言っていない。選ぶ理由が価格しか残っていない店頭画像(自社と競合の訴求)+POS訴求の差パイロット実測済
デオ41枚(後述)

いちばん大きな抜け:競合が棚で何を言っているかを、数えていない

棚シェアは「自社 ÷(自社+競合)」という相対で測っているのに、訴求は絶対でしか見ていない。実測した238枚の内訳(価格62件・売上No.1 43件・限定42件・話題3件)は、すべてGATSBY側の掲出物である。同じ写真に競合の棚も写っているのに、競合の訴求は一件も数えていない。

これでは「競合より選ばれる訴求」は設計できない。価格62件・No.1 43件が多いのか少ないのかも、競合が同じことを言っているかどうかで意味が正反対になる。相手も全員No.1を出しているなら、No.1は差にならない。

だから、診断に「競合訴求の実測」を足す

追加の撮影は要らない。既に撮ってある画像から取れる。棚シェアを算出するために競合フェイスはすでに判定しているので、その競合棚の掲出物を同じ訴求分類で数えるだけである。出てくるのは次の三つ。

指標定義読み方
訴求軸SOVある軸の自社訴求件数 ÷ 同カテゴリ全ブランドのその軸の訴求件数高くても、売場全体で飽和した軸なら差別化にならない
店舗到達率その軸を出している店舗数 ÷ 測定店舗数一部チェーンだけの偶然を除く
訴求重複率自社と競合の双方がその軸を出している店舗数 ÷ どちらかが出している店舗数高いほど、同じ土俵での比較購買になる
空白軸率競合が誰もその軸を出さず、自社も出していない店舗の比率棚の上で空いているだけで、需要があることは意味しない
訴求効率その軸を掲出した店の売上・シェアと、同条件の未掲出店との差画像上の存在をPOSの成果に接続する。価格・フェイス数・欠品・季節を統制する

判断ルールは「高重複・低効率の軸は縮小、自社が商品根拠を持ち・競合重複が低く・到達率を上げられる軸は拡大」。空白軸に行くことが常に正しいわけではない。生活者の課題が弱い、効能の根拠がない、15字で理解できない、棚位置やフェイス数が足りない、薬機法・景表法上の表現根拠を満たせない——このいずれかに当たるなら、その空白は機会ではなく不採用の理由である。

これが訴求を決めるときの入力になり、そのまま訴求ライブラリの初期値になる。「値引きに頼らない訴求」は、相手が何を言っているかを知って初めて設計できる。

競合訴求マップ(実測):デオドラント41枚で、自社と競合を同じコードで数えた

この提案のために、実際に測った。既存の棚画像から、GATSBYと主敵(メンズビオレ・8x4)が正面で並ぶデオドラント棚41枚を選び、両者の棚POP・帯・パッケージ正面の訴求を、13の固定コードで一枚ずつ採点した(追加撮影なし)。数字は「41枚のうち何枚でその軸が読み取れたか」である。

訴求軸GATSBYが出す競合が出す重複読み
制汗・防臭(効能)26(63%)13(32%)11カテゴリの土俵。両者とも出す
冷感・クール27(66%)16(39%)13最も重複=差がつかない
No.1・ランキング14(34%)4(10%)2自社が多用。競合は追随せず
剤型・使いやすさ7(17%)10(24%)6競合が出し、自社が薄い
持続力7(17%)8(20%)3競合が出し、自社が薄い
部位別(脇・足・顔)5(12%)16(39%)4競合の主戦場。自社が空けている
価格・安値6(15%)5(12%)5重複=差がつかない
香り3(7%)4(10%)1競合がやや出す
肌へのやさしさ1(2%)3(7%)0競合がやや出す
無香料3(7%)2(5%)0どちらも少ない
テレビ・SNS話題1(2%)0(0%)0空白=ほぼ誰も出していない
使用場面・悩み1(2%)0(0%)0空白=ほぼ誰も出していない
限定・新商品0(0%)0(0%)0空白=誰も出していない

分かったこと① いま戦っている軸は、ほぼ全部が「相手も出している軸」

GATSBYが最も多く出しているのは冷感(66%)と制汗効能(63%)。ところがこの2軸は競合も39%・32%で出しており、41枚中13枚・11枚で真正面から重なっている。次に多いNo.1(34%)も含め、いま棚で使っている面積の大半が「差がつかない軸」に乗っている。ここで競っても、最後に残る決め手は価格になる。

分かったこと② 競合が押さえていて、自社が空けている軸がある

部位別(脇・足・顔)は競合39%に対し自社12%。これは8x4など専業の主戦場で、無理に取りにいく軸ではない。だが「競合が何で棚を握っているか」がこれで数字になった。剤型・持続もやや競合優位。相手の強い軸を避けて、どこで差を作るかを決めるための地図がこれである。

分かったこと③ =この提案の核:空いているのは「使用場面」と「話題」だった

使用場面・悩み(対人・通勤・運動)と、テレビ・SNS話題は、自社も競合もほぼ誰も出していない(各1枚・0枚)。限定に至っては全社ゼロ。これは「需要が無い」ではなく、棚の上で誰も取りにいっていない空白である。そして——前段で述べたGATSBYの唯一の資産「髪まで含めた対人場面の身だしなみ」は、まさにこの「使用場面」の軸に乗る。実測が、狙うべき場所を名指しした。競合が同じ軸に来ていないので、少ない投資で差がつく。ただし空白=機会とは限らない(後述の判断ルール)。この軸で棚が動くかは、対照店を置いたDiDで確かめる。

パイロットの限界(正直に):N=41枚・デオドラント1カテゴリ・ドンキ中心の断面。競合のPOPが読み取れたのは41枚中23枚(競合は多くの棚でPOPを出していない=これ自体が発見)。画像1枚1回のAI採点で人手の二重確認は未実施。数値は「自社と競合を同じコードで数えるとこう見える」という方法の実証であり、確定値ではない。運用では13チェーン・全カテゴリに広げ、採点の二重化と店舗到達率まで出す。採点コード=`appeal_taxonomy.md`・実測データ=`data/appeal_map.json`。

棚で差がつく場所は、どこか

本来ここは、メーカーから受け取る与件で埋める箇所である。現行のコミュニケーション設計(誰に・何を・どの言葉で)をまだ受領していないため、暫定として公開情報から読み取れる範囲で三社を並べた。オリエンで正式な設計を受け取り次第、この読みは差し替える。ここで示したいのは結論ではなく、ブランドの立ち位置を棚に当てて見ると何が見えるか、という見方である。

ブランド公開情報から確認できる立ち位置強い領域棚で使うと想定される訴求(推定)
GATSBY男性の髪・肌に対応し、スタイリング、ヘアカラー、ヘアケア、ボディケアまでを同一ブランドで横断する。プロとの開発とスタイル提案を掲げるスタイリング(実測でも6/7チェーンで最上位)仕上がり、スタイル、使用場面、清潔感、香り、限定
8x4 MEN制汗デオドラントに集中。スプレー・ロールオン・パテ・足用まで展開し、制汗デオの代表性を掲げるデオドラント制汗・防臭の強さ、密着、持続、香り/無香料、使用部位別
メンズビオレ洗顔・フェイスシート・ボディシート中心に、皮脂・べたつき・清潔を解く。顔も体も一枚で拭ける、大判・厚手・長時間さらさらを明示洗顔・シート一枚で完結、洗浄、さらさら、冷感、手軽さ

差がつきにくい軸で、いま147件戦っている

三社の立ち位置から見て、価格・限定・売上順位・冷感・さらさら・ニオイ対策・香りは競合と近接しやすく、差がつきにくい軸である。デオドラントでは三社がほぼ同じことを言い得る。

実測238枚のうち、価格62件・売上No.1 43件・限定42件=147件(62%)が、この「差がつきにくい軸」に乗っている。棚に出す面積の6割以上を、相手と同じ土俵に使っている計算になる。話題は3件。この状態では、最後に残る選択理由は価格になる。

GATSBYが商品体系として持っている資産

8x4 MENは制汗の専門ブランドであり、髪型・髪色まで一貫して語る商品体系を持たない。メンズビオレは清潔ケアに強いが、ヘアスタイルとカラーの仕上がりを継続的に語ることは難しい。スタイリングとヘアカラーを同一ブランドで持っているのはGATSBYだけである。

これは「競合が絶対に言えない軸」ではなく、「競合が品揃えと実感と棚接続まで継続して立証しにくい軸」である。この資産をどう使うかを決めるのはメーカーである。本サービスが引き受けるのは、決まった使い方が棚の上で成立しているかを測り、成立していなければ直すことである。

実測が、この読みを裏づけている

GATSBYの強みが「髪」にあるなら、実測はきれいに説明がつく。スタイリングは6/7チェーンで最上位(53〜71)。ところが同じ「髪」であるヘアカラーは、7/7チェーンで最下位(16〜43)。差は平均+25.9pt。

つまり、GATSBYが唯一持っている「髪を横断できる」という強みが、棚の上では分断されている。スタイリング棚で作った信頼が、隣のヘアカラー棚に渡っていない。これが示唆の型④「カテゴリ間の断絶」の実例である。ブランドの側では一つのブランドとして設計されていても、棚の上では別々の商品として置かれている。打ち手は棚割交渉だけではない——スタイリングとヘアカラーを、同じ言葉・同じ導線・関連陳列でつなぐこと。これは上流の作り直しではなく、決まっているブランド像を棚で成立させる作業である。

この提案の賭け

  • ひとつの賭け:ブランドの主張を作り直すのではなく、すでに決まっている主張が棚で成立しているかを、競合の主張と並べて測り、成立していない箇所を毎月直し続けることに賭ける。上流(WHO・WHAT)には手を出さない。下流(WHERE・WHEN・HOW・成立検証)だけを引き受ける。
  • 殺した選択肢①:ブランド戦略・コンセプトの再定義を売る案。メーカーは調査を重ねて決め切っており、そこは代理店と調査会社の領域である。戦っても勝てないし、相手も望まない。
  • 殺した選択肢②:価格・限定・売上No.1で棚を取る案。いま棚の面積の62%(147件)を占めているが、三社が同じことを言える軸であり、続けても最後は価格勝負に戻る。ここは縮小する。
  • 競合が明日には名乗れない理由:上流を持たないまま、下流の成立だけを、競合の棚と並べて、全国3,303店で毎月測り続けるには、画像診断・巡回実行・PR設計の三つが同時に要る。調査会社は棚を直せず、ラウンダー会社は競合の主張を読めず、PR会社は棚に届かない。三つが揃うのはこの二社の組み合わせだけである。

競合のブランド立ち位置は各社公式サイトで確認した一次情報。棚上の訴求内容はデオドラントを41枚パイロット実測済(競合訴求マップ)、他カテゴリは本格実測がこれから。最初の実行は、メーカーの現行コミュニケーション設計を受け取り、それを棚の訴求分類コードに変換したうえで、13チェーンで自社と競合の訴求を同一コードで測定し、デオドラントとヘアカラーで各1軸のPOPを対照店に当てて検証することである。

そのうえで、作る情報は五つ

棚前の勝ちを作る情報が二つ、それを商談に通す情報が二つ、回すほど強くなる資産が一つ。

作る情報何に答えるかどこに効くか作るために要るもの
① 競合訴求マップ相手が棚で何を言っていて、どの軸が空いているか棚前(③段)既存の棚画像から競合の掲出物を同じ分類で数える(インパクトHD+二社の解析)
② 需要文脈カードいま、どの言葉・どの場面で語られているか棚前(②③段)露出とソーシャルの月次観測(マテリアル)
③ 未充足需要マップ需要が立っている場所に、棚があるか商談の議題づくり話題・検索の観測(マテリアル)×店舗別の棚・欠品(インパクトHD)
④ バイヤー提案パック棚を増やすと、カテゴリの粗利と回転が純増するか商談の決裁①〜③+棚の原資(減らす候補)=店頭画像+他チェーンでの実装結果
⑤ 訴求ライブラリどの言葉が、どこで、実際に効いたか全段(回すほど上がる)毎月同じ形式で記録し続けること(両社)

① 競合訴求マップ — 相手の言っていることを数える

棚前で選ばれるかどうかは相対で決まる。相手が全員「No.1」を出しているなら、No.1は差にならない。逆に、誰も出していない軸があれば、そこは少ない投資で差がつく。カテゴリ×チェーン別に、訴求軸ごとの出現件数のシェア、自社と競合の重なり率、空白軸を出す。これがなければ、訴求の設計は当てずっぽうになる。既存画像から取れるため、追加の撮影費はかからない。

② 需要文脈カード — いま、どの言葉で語られているか

POSは「何が売れたか」しか答えず、検索データは「関心の量」までしか答えない。棚の一行を決める入力は、世の中がいまその商品をどの言葉・どの場面で語っているかである。汗のニオイなのか、部活のあとなのか、面接の前なのか。露出とソーシャルの観測から、その場面と語彙を月次で抽出する。棚のPOPは、その言葉のまま書く。露出で見た言葉と棚の言葉が違うと、店頭で記憶がつながらない。POP制作を切り離して発注すると、必ずここがずれる。

③ 未充足需要マップ — 需要が立った場所に、棚があるか

話題化のあとに立つ「どこで買えるか」型の検索や来店意向を地域・時期の単位で観測し、チェーン別・地域別の棚シェアと欠品に同じ粒度で重ねる。出てくるのは「需要が立っているのに棚が薄い地域・チェーン・店舗」の一覧である。ただしこれは議題を作る材料であって、決裁を通す材料ではない。バイヤーが最も重く見るのは自チェーンのPOSであり、外部の需要データは補助にとどまる。だからこのマップは「どの店で検証するか」を決めるために使い、判定は対象店のPOSで行う(月次・店別POSの提供を契約の前提に置く理由がここにある)。粗い月次版はすでに動いている——制汗剤の検索需要は気温と+0.78で連動し、需要期の6-7月は需要の伸びに棚が追いつかない(差=+1.31/+0.98)。

④ バイヤー提案パック — 「棚の原資」まで載っている一枚

バイヤーが棚を配分する第一の基準は、ブランドのシェアではなくカテゴリの粗利額と回転(棚生産性)が純増するかである。したがって通るのは「何を何フェイス減らし、何を増やすと、週当たりの売上・粗利額・回転・欠品率がどう変わるか」を示した資料に限られる。カット候補(棚の原資)が無い棚案は、それだけで議題にならない。載せる順序は、①依頼する意思決定(PoC着手か次回改訂か)②現状診断 ③このチェーンで改善する指標を一つに絞る ④仮説と打ち手 ⑤棚の原資と実装 ⑥対照店を置いた測定設計と継続・撤退の基準 ⑦依頼するPOS項目と次アクション。
載せてはいけないもの=全国シェアだけ、露出件数だけ、SNSの総リーチだけ、メーカー出荷実績だけ、カット原資のない棚案、値引き後の粗利を示さない売上予測。

⑤ 訴求ライブラリ — 回すほど勝率が上がる資産

どの言葉のPOPを、どの文脈で、どの地域・どのチェーンに、競合が何を言っている棚に出したら、棚シェアと売上がどう動いたか。対照店との差分(DiD)で毎月ためる。数か月で効く言葉が絞れ、1年でカテゴリ×地域×季節×競合状況の勝ちパターンが手元に残る。これは後から買えない。全国3,303店の巡回と露出の設計を同時に持ち、毎月同じ形式で記録し続けた者にしか貯まらない。競合が同じことを言えない理由は、ここにある。

ひとつ、誤解を先に潰しておく。「第三者が測ったから通る」ということはない。バイヤーにとって最も強い根拠は自チェーンのPOS、次に契約済みの市場POS・購買パネル、その次が調査設計・原票・定義・限界まで開示された第三者データである。メーカーの数字も、対象・期間・対照群を開示してチェーンPOSと照合できれば通用する。逆にPR会社の測定でも、店舗の抜き方が恣意的で、露出量だけで、因果を検証していなければ弱い。第三者性の価値は「中立に見えること」ではなく、再現性と検証可能性にある。本サービスが提供する数字は、対象店・期間・対照群・撮影ルールをすべて開示した上で出す。

SNS・メディア露出を、どう棚の勝ちに変えるか

露出は「どれだけ届いたか」では使わない。棚を動かす三つの信号に分解して使う。

信号何を読むか棚側の打ち手
どこで地域・チェーン別に、関心がどこで立ち上がったか訪店の優先度を書き換える。全国一律に配らず、効いた地域から棚を取りにいく
どの言葉で語られている場面と語彙POPの見出しと什器の一行を、その言葉に合わせる
いつ波の立ち上がりと減衰掲出の開始と撤去の日を決める。次回の巡回に載せる

時間軸でも、店頭の仕事は変わる。

整理すると、A群でマテリアルが担うのは文案編集と表示ルールの確認であり、ここは他社でも代替できる。この共同事業の独自性は、B群の事実を作ったうえで、それを上の四つの情報に変換し、棚に運んだ結果を店舗単位で検証して次の企画に戻すループにある。この五つの情報と三つの信号が、話題・評価POP(S3)とPR連動店頭(S5)の中身である。以下は、それを実務に落とすための条件である。

どんなPOPを、どこに、どれだけ出すのか

訴求が決まっても、掲出できる形式と枚数は売場の制約で決まる。形式ごとに視認距離・入る文字数・本部承認の要否・掲出期間が違うため、マテリアルは制作前にこの条件で設計する。

形式サイズ・視認距離3秒で読める上限設置と承認掲出期間・差替え
棚札幅60〜90mm/0.5〜1m見出し10〜15字+根拠1行棚レール。承認済みの販促枠内でラウンダーが設置4週〜常設。低コスト・差替え容易
シェルフトーカーA6〜A5/1〜2m見出し15字+補足20字棚前端から立ち上げ。はみ出し寸法は本部承認4週程度。破損・欠落を巡回で確認
ジャンパーA5〜A4縦/2〜3m見出し12字+根拠1点棚上部・エンド上部。設置枠と避難導線の本部承認新商品・企画の2〜4週
スイングPOPA6〜A5/1〜2m見出し12字棚レールから吊る。事前承認仕様に限定2〜4週。落下を画像で点検
商品貼付シール20〜50mm角/手に取る距離6〜10字製品表示を隠さない。メーカー承認とチェーン許可が必要限定・新発売向け。撤去しにくい
什器巻き・平台カード什器面〜A3/1〜4m見出し15字+選択導線既設什器・平台。什器仕様と安全面の本部承認企画期間中。平台は週替わりも可

ラウンダーの裁量は、チェーンが事前に承認した素材・サイズ・設置箇所・期間を店舗で実行する範囲に限られる。店長の口頭許可のみで床面施工や棚割変更を行う運用はとらない。実際の寸法・承認要否はチェーンごとに異なるため、導入時に各本部基準と照合する。

テレビ・SNSの話題を、棚前に持ち込む手順

効能・効果の表示は医薬品医療機器等法、No.1表示と限定表示は景品表示法、依頼投稿の扱いはステルスマーケティング規制の対象になる。最終版はカテゴリの公正競争規約と各チェーンの販促基準に照合してから掲出する。この照合を含めてマテリアルが担当する。

訴求の作り方

需要のある訴求を、PR・SNSでどう作るか — 六つのアプローチ

競合訴求マップで「空いている軸」が分かっても、そこに何を置くかは一通りではない。棚前で選ばれる確率を上げる訴求には、作り方の型が複数ある。「空白だから話題を足す」と決め打ちしない。型ごとに効く条件・必要な根拠・法規制上のリスクが違う。以下はいずれも、メーカーが決めた便益(WHO/WHAT)を棚で成立させるための型であり、便益そのものを作り直すものではない。棚の一行は仮置きで、正式なオリエンとSKU別の表示確認で差し替える。

アプローチの型効く時/効かない条件PR・SNSで作る事実棚の一行(仮)法規制上の注意
① 空白軸を事実化する価格・順位・限定が競合も含め過密で、話題・第三者評価が空いている時。露出自体が弱い・棚に在庫がない時は効かない掲載媒体名・日付・対象SKU・引用許諾のそろった露出、実在する受賞、適法な評価「◯月◯日、番組で紹介」根拠なく「話題」「人気」と書かない。受賞を商品全体へ拡張しない
② 競合の強みを、選択の土俵にずらす専業競合と機能を正面比較しても差が出にくい時。決めた便益が棚で生活場面に翻訳されていない時が対象対人予定・準備行動に関する編集企画。SNSは準備順序の実例「会う前の、身だしなみ」新しい便益・ターゲットを定義しない。効能の優劣比較に戻すと競合の土俵になる
③ 需要の文脈に接続する便益は理解されても「今、買う理由」が棚で見えない時。季節・来店目的・地域で棚実態が違うのに全国一律にすると効かない季節・予定に関する企画露出。SNSはその文脈の検索・保存・質問を観測「外出前の、整え方」場面の言葉が効能の保証を暗示しないようにする
④ カテゴリをまたいで信頼を移す同一ブランドで、強いカテゴリと弱いカテゴリの認知・棚が分断している時(スタイリング⇄ヘアカラー)横断的な選び方記事。SNSはカテゴリ間を往復する案内素材「整える棚から、色を選ぶ」「整髪で選ばれているから色も高品質」と飛躍しない。実績を使うなら比較範囲・期間を明示
⑤ 生活者の言葉を借りるメーカーの言葉と棚前の迷いがずれている時。少数投稿の一般化・依頼投稿の自然発生装いは不可購入者の声・レビューの論点・接客での質問を分類し、決めた便益に沿う言葉だけを採る「色選び、ここで迷う」UGCの二次利用は投稿者の許諾・改変範囲・掲出期間が要る。依頼投稿は広告性を明示(ステマ規制)
⑥ 不安を減らす選択設計小区画・色番や剤型が多い・失敗不安で比較が止まる時。情報を詰め込みすぎて読めなくなると逆効果専門家による一般的な選び方の解説。SNSは質問への回答集「初めての、色選び」仕上がり・安全性・低刺激性を保証しない。必要な使用上の注意を短縮・隠さない

選ぶ順序は決め打ちしない。競合訴求マップで訴求軸別の到達率・競合との重複率・掲出率を見て、自社に根拠があり・競合との重複が低く・棚で読める軸だけを拡大する。空白軸に行くのが常に正しいわけではない(生活者の課題が弱い/効能の根拠がない/15字で読めない/棚位置が足りない/表示根拠を満たせない、なら不採用)。

作った事実を、棚に運ぶ二次利用のパターン

PR・SNSで作った事実は、棚まで運んで初めて回収される。運び方にも型があり、それぞれ権利処理・鮮度管理・画像で追える指標が違う。

パターン素材 → 店頭物 → 置く場所権利・鮮度の管理画像で確認する指標
媒体掲載の回収許諾済みの見出し・媒体名 → 棚帯POP → 対象SKUのフェイス脇媒体許諾・引用範囲・掲載日・対象SKU・掲出終了日を台帳化掲出率/日付の可読率/指定位置の遵守率/期限切れの残存率
受賞・第三者評価の回収受賞名・年・部門 → 小型バッジPOP → カテゴリ入口またはフェイス脇受賞規約・ロゴ利用・受賞対象とSKUの一致・利用期限を確認バッジの有無/対象SKU隣接率/競合バッジとの視認阻害
選び方コンテンツの回収専門家監修の選び方 → 三段選択カード(基準→該当SKU→注意) → 色番・剤型の直前監修は「効能推薦」でなく「選び方解説」に限定。商品別の必要表示を残すカード設置率/色番前の配置率/注意表示の可読性/QR可視率
許諾済みUGCの回収投稿者の実画像・短文 → 出所付きカード → エンドまたはカテゴリ入口著作権・肖像・アカウント表示・改変・媒体・地域・期間の許諾。依頼投稿は広告性を明示許諾表記の有無/出所の可読性/旧投稿の残存率/設置面積

プラットフォームは役割が違う。短文SNS=話題化と即時の質問把握(立ち上がりも失速も速い→日付つき話題POPの根拠)。写真SNS=見た目・選び方の保存(選び方カードやQR素材)。短尺動画=手順・場面の理解(棚では一行とQRの補助)。動画媒体=検索・比較の受け皿(後から効く)。口コミサイト=購入直前の確認(数値の転載より、迷いの論点把握に使う)。実アカウントの分析で役割を確定してから使う。画像で確定できるのは棚の成立度までで、売上・選択率は店別POSと対照店のDiDで別途確かめる。

デオドラント=②「選択の土俵にずらす」を主軸に

実測どおり、制汗・冷感は競合と重複し、部位別は専業の主戦場。ここで機能を正面比較しても価格勝負に戻る。空いている「使用場面」の軸に、決まっている横断便益を翻訳して置くのが最も差がつく。PRは対人・準備場面の編集企画、SNSは準備順序の実例。話題だけを足す①は、専業との差の理由にはならないので主軸にしない。

メンズヘアカラー=⑥「不安を減らす選択設計」を主軸に

棚区画が小さく、色選びの失敗不安で比較が止まる。ここで話題や順位を足しても、小区画で情報が増えるだけで不安は解けない。「選ぶ基準 → 該当色番 → 注意」を一枚に絞るのが効く。スタイリング棚からの信頼移送(④)は補助。棚そのものの拡大は、画像で出したカット候補と棚生産性の商談(バイヤー提案パック)で別に取りにいく。

効能表示は薬機法、No.1・限定表示は景表法、依頼投稿はステマ規制の対象。監修者コメントや媒体掲載は「効能の保証」ではない。最終版はカテゴリの公正競争規約と各チェーンの販促基準に照合してから掲出する。この設計と照合を含めてマテリアルが担当し、店頭実装をインパクトHDが担う。

THEME 1

マンダムの実測を、示唆・訴求・店頭指示まで通す

棚シェアの数値は、それだけでは営業の材料にならない。数字 → 何が言えるか(示唆)→ 何を訴求するか → 店頭でどう出すか → 効いたかをどう測るかまで通して初めて使える。以下はその一周を、マンダムの実測値で通したものである。ラウンダー活動も、全店一律の売場確認から、チェーン別・カテゴリ別に役割を変える活動へ変更する。

これから示すのは三つの別々の分析ではない。同じ棚診断を、カテゴリ(勝敗が決まる軸)・チェーン(戦い方が変わる軸)・地域(面の取り方が変わる軸)の三方向から切ったものである。裏では同一の店頭画像データ(統合キューブ)を使っており、三つの数字は互いに整合している。最後に、三つを重ねて打ち手を決める。

断面① カテゴリ×チェーン

まず、どのカテゴリで棚を取れていて、どのカテゴリで取り返す必要があるかを、主要7チェーン別に見る。

カテゴリドンキマツキヨトライアルカインズイオンダイレックスツルハラウンダーの役割
デオドラント45555749504545全チェーン共通の取り返し対象
ヘアカラー42164342433128重点改善対象
スタイリング68716353555561維持・拡張対象
洗顔シート85525249484137ドンキの成功を横展開

GATSBYの棚占有率(棚シェア=自社フェイス÷(自社+競合フェイス))。緑=60%以上、橙=45〜59%、赤=45%未満。50%は競合合計と互角の水準で、デオは最良でも57%=どのチェーンでも競合合計を明確に上回れていないため取り返し対象に置く。カテゴリ内訳は主要7チェーン。新6チェーンはカテゴリ設問の記録が薄いため、チェーン単位=断面②で合流する。

断面①の読み方:負けているのはチェーンではなく、カテゴリの並び順

上の表は、数字の高低より順位を見たほうがよい。チェーン横断で並べ替えると、次のことが確定する。

順位はチェーンに依存しない

  • ヘアカラーは7チェーン中7チェーンで最下位(16〜43・平均35.0)
  • スタイリングは7チェーン中6チェーンで最上位(53〜71・平均60.9)。残るドンキも、洗顔シート85に次ぐ2位(68)
  • 「スタイリング > デオドラント > 洗顔シート > ヘアカラー」という並びが、7チェーン中6チェーンで完全に一致する
  • スタイリングとヘアカラーの差は全チェーンで正。平均+25.9pt(最小+11・最大+55)

だから、何が言えるか

チェーンが変われば、バイヤーも棚割も客層も商談条件も変わる。それでも並び順が変わらない。ということは、この負けはチェーンとの交渉で決まっているのではなく、ブランドがカテゴリごとに持っている「認識」の差で決まっている可能性が高い。値引きや棚割交渉はチェーンごとに違うが、認識はチェーンをまたいで同じだからである。

そして認識は、値引きでは動かない。動かすのはメディアと話題、つまりPRの仕事である。この一点が、この共同事業がラウンダー会社単独でも調査会社単独でも成立しない理由になる。

この解釈を確定させるには、対立仮説を潰す必要がある。「棚を取れていない」のか「そもそもメンズヘアカラーの棚区画が小さい」のかは、いまの数字では分けられない。次回巡回の撮影設計に、①各チェーンのメンズヘアカラー棚の区画そのものの実寸・段数 ②配荷SKU数 ③レディース棚との位置関係 を組み込み、分母(カテゴリ棚の大きさ)と分子(自社フェイス)を分けて測る。区画自体が小さいなら、打ち手は棚の取り返しではなく棚区画を作らせる商談になり、必要な材料が変わる。

断面② チェーン×地域

①でわかった弱いカテゴリを、どのチェーンが、どの地域で持っているかに接続する。棚シェアの実測を13チェーンに広げ、母集団の82.5%(2,726/3,303店)をカバーした。店舗数で重み付けした全国の棚シェアは48%(単純合算50%)。いずれも40〜58%の帯で、棚劣勢は業態を越えて全国で安定している。最大チェーンのマツキヨ(903店・棚シェア42%)が最も低く全国値を押し下げている。全13チェーン共通の主な競合はメンズビオレ・8x4。

チェーン主産地棚シェア
ダイコクドラッグ専業近畿58
ドンキ全国型関東34%57
キリン堂ドラッグ専業近畿56
セキ薬品ドラッグ専業関東56
スギドラッグ専業中部55
トライアル全国型(九州発)九州沖縄36%52
カインズエリア偏在(関東HC)関東53%51
ダイレックスエリア偏在(九州)九州沖縄51%49
イオン準全国関東40%48
ツルハ北海道発・東日本北海道59%45
ウエルシアドラッグ専業関東44
マツキヨ全国型関東56%42
サンドラッグドラッグ専業準全国40

主産地は母集団店舗ベースの目安。カテゴリ内訳(断面①)は7チェーンだが、棚シェアの全体水準はこの13チェーンで確認しており、断面①の劣勢が特定チェーン固有でないことの裏付けになる。

断面③ 地域の解像度

②で見たチェーンの型を、地域ごとの棚シェアと二次展開依存に接続する。全国3,303店のうち3,302店を地域まで確定しており(残る1店は「一時閉店」表記で確定できず)、全国型チェーンで広く配荷を押さえ、エリア偏在チェーン(九州=ダイレックス、北海道=ツルハ、関東HC=カインズ)で地域を絞って集中投下する、二層の設計ができる。

地域棚シェア二次展開依存母集団店舗数
九州沖縄5535%446
近畿5329%672
中部5136%402
関東5028%1193
東北4818%163
中国四国4833%203
北海道4458%223

棚シェア・二次展開依存はいずれも統合キューブの実測値(二次展開依存=二次展開・エンドで撮れたカードの割合)。北海道58%が突出して高く定番が弱い。東北18%・関東28%・近畿29%は低め。母集団店舗数は全メタ29万行の地名化から(合計3,302店。母集団3,303店との差1店は上記の地域未確定分)。各地域内棚シェアは撮影対象店ベースで、nの小さい北海道・中国四国は方向値。

統合の読み筋(カテゴリ・チェーン・地域を重ねた打ち手)

三つの断面は独立した表ではなく、一つの棚をどこから見るかの違いである。三軸をつなぐと、具体的な打ち手が決まる。

時間軸の読み筋=いつ直すか。答えは需要期の前。検索(Google Trends)と気温(気象庁)は実データを接続済みで、需要(制汗剤検索)は気温と+0.78で連動する。需要期の6-7月は、需要の伸びに棚が追いつかない(需要と棚シェアの差(z値)=gap +1.31/+0.98。競合も殺到して薄まる)。2〜4月は需要前の先行構築ができている。だから棚取り返し(S2)で守るべきは需要期の棚で、直す時期はその前になる。

時間軸の根拠と限界

  • 対象期間:2025年5月〜2026年4月の12ヶ月(n=12の月次・方向値)。
  • 相関:需要×気温 +0.78/需要×ラウンダー投下 +0.75/ラウンダー投下×棚シェア +0.86/需要×棚シェア +0.55。
  • ただし +0.86 は相関であって因果ではない。重点店に先に厚く人を入れていれば、同じ相関が出る。効果はDiDで判定する。
  • デオの月次棚シェア:夏(5〜8月)平均80%・冬(11〜1月)52%。各月8〜12枚の方向値。
  • データ源:需要=Google Trends(制汗剤検索・相対値0-100)/気温=気象庁(東京の月平均)/POS順位=ウレコン2026年Q2でGATSBY 2・4・6・8・9位(順位のみ・四半期スナップショット)。

四つのカテゴリで、訴求も打ち手も変わる

以下の「棚に出す一行」は、ブランドが決めた便益を棚の一行に翻訳した案であり、便益そのものを新しく定義したものではない。正式なコミュニケーション設計を受領した時点で、その言葉に差し替える。棚シェアが違えば、買い物客が迷っている論点が違い、翻訳の仕方も、PRで作るべき根拠も変わる。そして棚が動くかどうかを最後に決めるのはバイヤーなので、「客に効くか」だけでなく「バイヤーの見方でどう説明できるか」まで揃っていないと棚にならない。効かない条件も併記する。

カテゴリ(実測)棚前で迷っている論点棚に出す一行(例)/PRで作る根拠これで棚が動く理屈(バイヤーの見方)効かない条件
デオドラント
45〜57
全7チェーン
汗をかく場面に足りるか、香りが強すぎないか、白残りや使用感を避けられるか。ブランド比較ではなく、用途と不快の回避で選んでいる 「会う直前、清潔感を整える」
「服に残りにくい使用感」
汗対策の強さ単体では8x4と正面衝突する。髪・顔・体を横断できる強みを使い、対人場面の身だしなみとして立てる。
PR=承認効能の範囲での制汗・防臭試験、白残り・べたつきの官能評価、外出・対人前の使用実態調査
用途で迷いを解くと棚前の比較時間が短くなり、用途別に複数フェイスを置く理由ができる。回転が上がればフェイスは守れる 競合と機能差が見えず、価格感度だけで動いている棚
メンズヘアカラー
16〜43
7/7で最下位
自分に合う色か、失敗しないか、仕事・学校で不自然に見えないか、手順が面倒でないか。迷いの正体は価格ではなく失敗リスク 「初めてでも狙いどおりの髪色」
「仕事前の自然な髪色へ」
色名で選ばせず、仕上がり選択の不安を解く。スタイリング棚で得ている信頼を、同じ言葉でカラー棚へ渡す。
PR=髪の長さ・ベース色別の仕上がり検証、初回使用者の手順完遂率、色見本と実仕上がりの一致度(使用前テストの注意は弱めない)
棚を増やす根拠は値頃ではなく「色番の選択失敗を減らし、目的買いを取りこぼさない」こと。色番別の売上・欠品・返品を示せれば区画の提案になる 競合色と差がなく、色番の回転も示せない場合。訴求だけではフェイスは増えない
スタイリング
53〜71
6/7で最上位
ワックスかジェルかではなく、自分の髪質・求める仕上がり・夕方までの持続・落としやすさで迷っている 「髪質から選ぶ整髪料」
「束感か、自然な動きか」
「洗い落としまで選べる」
PR=理美容師のスタイリング提案、髪型別の短尺動画、使用後から洗髪までの検証素材
ここは取り返しではなくフェイス防衛と上位SKUへの入替根拠。剤型別の迷いを減らすとブランド内比較が成立し、価格比較に落ちにくくなる 仕上がりの差が画像で見えず、SKUが多すぎて選べない場合はむしろ逆効果
洗顔シート
8537〜52
ドンキのみ突出
今すぐ拭きたいのか洗顔の代わりなのか、顔以外にも使いたいか、清涼感や香りを許容できるか 「外出先の顔のべたつきに」
「一枚で、汗と皮脂を拭く」
PR=通勤・部活・屋外作業・旅行など場面別の露出、サイズ・枚数・使用部位を明確にしたレビュー
即時の困りごとに接続できれば、レジ前・季節催事・メンズ棚の複数置きが成立する。置き場所が増えれば回転も上がる 涼しい時期。購入目的が洗顔料に固定されている棚。使途が曖昧なままではリピートも定番棚も残らない

値引きを外す理由は「利益が減るから」だけではない

より本質的な理由は、値引きは特売期間中の数量は増やすが、特売が終わったあとに定番棚を持ち続ける理由を残さないことにある。定番棚は「このSKUがあるとカテゴリの粗利額と回転が上がる」という理由でしか恒久的に維持されない。非価格訴求は、棚前の選択を速くして回転に効くため、その理由になり得る。値引きは、その理由を作らないまま原資だけを消費する。

ヘアカラーだけは、打ち手の種類が違う

7チェーンすべてで最下位という事実は、「棚を取れていない」ではなく「そもそも棚区画が小さい/無い」可能性を強く示す。多くの店でヘアカラー売場は女性向けカラー剤の大区画が基準で、メンズは独立カテゴリではなく端部や小区画として扱われやすい。加えて、ヘアカラーは色番ごとに代替が効かないためフェイス増がそのまま在庫負担になり、使用間隔も長いため、店側は棚を増やすよりSKU圧縮と欠品回避を優先しやすい。

この場合、必要なのは棚の取り返しではなく、棚区画を作らせる商談である。「男性向けカラーを増やしてほしい」では通らない。次の材料が揃って初めて議題になる。

カテゴリを作らせる商談に要るもの

  • 需要の定義:黒染め・明るくする・色持ち維持などを分け、誰のどの不便を解くのかを決める
  • 需要の実在証明:対象チェーンのPOS・検索・店頭画像を結び、導入候補店で需要があることを示す(全国的な話題では通らない)
  • 棚の原資:新設する幅、削るSKU、既存ヘアカラー棚への統合、期間エンドのいずれかを明記する
  • 最小のSKU構成:色数を増やしすぎず、価格帯・使用法・安全情報・補充頻度まで含めて最小で組む
  • 検証設計:高潜在店と対照店、期間、売上・粗利・回転・欠品・既存カテゴリからの食い合い、継続判断の基準を事前に合意する
  • 現場実装:棚設置・在庫確認・表示遵守・写真検証・例外報告までラウンダーが担う

ここで二社が持っている強み

この商談で最も揃いにくいのは「棚の原資」——何を減らすかである。メーカー営業は自社の棚しか見えず、削減候補を出せない。店頭画像は、競合を含む棚全体・空きフェイス・欠品・掲出物まで店舗単位で写している。だから「どの区画から、何を、どれだけ」の候補を出せる。

そして「増やす側」の根拠——需要が実在することの証明——はPRが作る話題と検索の動きから取る。減らす側(画像)と増やす側(PR)の両方を一枚に載せられるのが、この二社の組み合わせである。片方だけでは、バイヤーの議題に乗らない。

上の「迷っている論点」「棚が動く理屈」「棚区画の構造」は、日本のドラッグストア/ディスカウント業態の実務にもとづく仮説であり、チェーンごとに要確認である。定番改訂の時期、本部と店舗の権限の分かれ方、削減候補の扱いはチェーンで異なる。棚に出す一行はいずれも、当該SKUの承認効能・仕様・試験で裏づけられる場合に限って使う。また、洗顔シートのドンキ85%は、定番棚・エンド・什器を同じ分母に入れているかを先に確認する。自社什器や季節展開の撮影比率で押し上がっているなら、定番棚への横展開とは別の論点になる(二次展開依存=断面③と突き合わせる)。

だから、ラウンダーをこう使う

営業トーク(そのまま使える)

  • 「デオドラントは全7チェーンで45〜57%。どのチェーンでも取り切れていません」
  • 「ヘアカラーは全チェーン劣勢(マツキヨは16%)、スタイリングは主要チェーンで優位(一部拮抗)、洗顔はドンキだけが85%と高く、他チェーンでは37〜52%です」
  • 「ラウンダーを、一律の売場確認から、カテゴリ別に役割を変える活動に変えます」
  • 「報告を作業報告から、次に何を直すかの店舗別指示書にします」
  • 「棚は取り方まで見ます。値引きで取った棚か、話題で取った棚かを分け、利益の出る取り方に寄せます」
  • 「負けている棚を挙げるだけでなく、需要が立っているのに棚が薄い場所を地域・チェーン単位でお出しします」
  • 「バイヤー商談にそのまま持ち込める1枚(露出実績・指名検索・自チェーンの棚欠損・他チェーンでの変化)をお渡しします」

提供物

  • チェーン別カテゴリ診断レポート(棚シェア・競合別シェア・価格訴求比率・二次展開有無)
  • 店舗別ラウンダー指示書(優先カテゴリ・追加フェイス数・奪われた棚位置・掲出POP・確認欠品)
  • チェーン別営業提案シート(伸ばす棚・取り返すスペース・二次展開提案店・競合比較画像)
  • 未充足需要マップ(需要が立っているのに棚が薄い地域・チェーン・店舗)
  • 需要文脈カード(月次。いまどの言葉・どの場面で語られているか)
  • バイヤー提案パック(チェーン別。露出実績・指名検索・自チェーンの棚欠損・他チェーンでの変化を1枚に)
  • 訴求ライブラリ(効いた言葉・効かなかった言葉の累積記録)
  • 月次改善レポート(前月比の棚シェア・フェイス・掲出率・二次展開・欠品・未改善店リスト)。運用のモニタリング用で、効果の確定判定は対照店群とのDiDで行う

さらに、いつ直すかを読み、効いたかを検証する

棚と展開が13チェーン・母集団の82.5%をカバーする範囲で見えるようになった上で、外部の動きを重ねると、いつ直すべきか(需要期の棚リスク)を時系列で読める。効いたかの判定は、POSを目的変数に、対照店群との差分(DiD)で行う。

外部変数 重ねて分かること 取得区分 難易度
SNS話題量 話題化に店頭(棚シェア・二次展開)が追いついたか。マテリアルが作った話題も同じ指標で測り、店頭への反映まで確認する A自前(PF別に分析) 低〜中
メディア露出 PR露出の山と店頭・売れ方の山が一致したか A自前
検索数(CEP語) 需要の兆しを店頭で受け止められたか A自前・接続済み
天候・気温 需要が動く時期に棚・展開が十分だったか A自前・接続済み
競合施策 競合の価格・エンド・新製品で自社棚シェアが弱まったか A自前/B先方 中〜高
催事・季節 季節需要に棚・POP・価格が実装されていたか A自前/B先方
POS(セルアウト) 棚・展開・露出が売れ方に結びついたか=取りこぼし 順位は接続済み(ウレコン・四半期・順位のみ)/月次・店別はB先方=受注理由

実接続済み3本と、次に重ねるもの

  • 接続済み=検索(Google Trends)・気温(気象庁)・POS順位(ウレコン・四半期)。この3本から出た発見が、上の時間軸の読み筋=需要期に棚が追いつかない。
  • 次=POSの月次・店別(先方アスク)と、SNS話題量(X・TikTok・Instagram・YouTube・@cosmeのPF別。層も効き方もラグも違うため一括で見ない)。

商談での出し方

POSと競合棚実測は、店頭活動の成果を判断するための必要入力として依頼する。データを溜めるには、店頭巡回を続ける必要がある。したがって、外部変数の提供と店頭データの継続取得を、ラウンダー受注・継続の前提として提案する。効いたかは前後比較でなく、同条件の未実施店との差分(DiD)で判定する。

実証PoC(初期提案メニュー・実装3か月+検証1か月)

対象=7チェーン各30〜50店。工程は下の導入ロードマップと同じ月割り。

  • 進め方:1か月目=初回診断と重点店抽出/2か月目=施策設計/3か月目=ラウンダー実装/4か月目=再診断とDiD判定。
  • KPI(仮置き):デオ棚シェア+3pt/ヘアカラー+2pt/話題訴求POP掲出率20%以上/改善対象店の実装完了率80%以上。いずれも価格訴求依存度を上げずに達成することを条件とする。初回診断のベースラインと対照群設計・予算を踏まえて最終合意する。
  • 対照店群の置き方:同チェーン・同規模で、実施前3か月の棚シェア推移が実施店と並行している店を突合する。期間中は対照店に別施策を入れない(入った場合は記録して除外する)。

各地域内の棚シェアは撮影対象店ベースの方向値。地域によっては算出枚数が十数枚と少なく、地域差は方向値として扱う。棚シェア未測定の約17.5%(カワチ・コスモス等・棚画像が少ない)のチェーンは今後の追加測定で確定する。カテゴリ別の月次の棚シェアは各月8〜12枚の方向値で、精度の確定には追加抽出が要る。

THEME 2

他メーカーでも、「見える → 直す」は再現する

同じ手法が別ブランドでも通用するかを検証した。GATSBY(男性グルーミング)に加え、Bifesta(女性クレンジング)でも解析。個別の勝ち負けはブランドで違うが、「販促への依存」と「店頭に話題訴求が無い」構造は、ブランドをまたいで再現した。同じ診断と打ち手の型が他メーカーでも成立しうる根拠になる(確認できたのは2ブランド・のべ12チェーンの範囲)。効果はメーカー・カテゴリーごとに、POS連携後のDiDで検証する。

ブランドをまたいで再現した構造GATSBY(7チェーン)Bifesta(5チェーン)意味
棚シェア(主要カテゴリで劣勢)デオ 45〜57%27〜39%取り返し余地がどのブランドにもある(主敵=Bifestaはビオレ)
二次展開への依存22〜35%30〜53%定番で取れず販促で補う=費用対効果の検証needが共通(GATSBYは7チェーンの二次展開カード割合。地域別では東北18%〜北海道58%と幅)
店頭の話題訴求(テレビ/SNS)各0〜8件全チェーン0件話題・評価POP(S3)の余地がどのブランドにもある

業界別の提案切り口

  • 日用品:棚シェアと二次展開の連動を可視化/価格訴求偏重から機能・話題訴求へ
  • 化粧品:ブランド別・カテゴリ別の棚占有と訴求内容を診断/SNS・口コミ・受賞を店頭POPへ
  • OTC:症状別棚の露出・指名買い訴求・競合隣接を診断/CM・季節需要と棚前訴求を接続
  • 食品・飲料:定番棚と二次展開の露出量を診断/キャンペーン・新商品・SNS話題を店頭実装
  • ペット用品:カテゴリ棚の競合占有と大型什器の役割を診断/機能・獣医師推奨・口コミを売場化

商品名案

本書では仮称として「PR連動型 店頭改善プログラム」を用いている。他の候補は、店頭シェア改善プログラム/売場診断・実装・検証パッケージ/チェーン別棚シェア診断サービス。正式名称は共同事業の合意時に決定する。

前回ミーティングの昇華

6/16のアイデアは、すべてこの設計に入っている

ブレストで出た案は独立施策として並べず、上のサービスと展開計画の部品として吸収済み。

6/16アイデア吸収先ひとことメモ
意思決定ダッシュボードS1別予算=マーケ分析予算。全打ち手の根拠。
逆算でのデータ取得展開第1弾の起点作りたい診断から必要データを逆算。新規ラウンド稼働=受注の起点。
店頭の話題・評価POPS3テレビ/SNS/受賞/No.1を掲出物化。
PR予測→出稿日に棚作り込み→POS検証S5露出とセルアウトを接続。
セルアウト促進(出稿量に依存しない)S5CM予算のない顧客にも売れる。裏付け=実証断面で価格訴求偏重。
エリア集中の話題化別枠の高単価PJ景表法・表示ルール確認を前提。欠品演出はしない。
クロスマーチャン/他メーカー横展開/他資産展開第5弾横展開。晴れの日チラシは本件に最も合うと6/16で双方一致。

進め方(6/16の宿題)

先に共同プレスリリースの叩きを作り、そこから必要なサービス・データ・展開順序を逆算する。

誰の数字か

誰の数字で評価し、どの部門が便益を得るか

本サービスの評価軸は、棚シェア(棚シェア)ではなく利益である。最大化するのは、増分・投資後貢献利益(増分net売上 − 増分COGS − 増分販促原資 − 増分実行費 − 返品/廃棄)。netは値引き後の売上で見るという意味で、値引きで作った売上を額面で褒めない。棚シェアは目的でなく、それを動かす操作レバー。「棚を増やすほど褒める」設計ではなく、「利益を伴う適時・持続可能な棚を褒める」設計にする。見える→直す→確かめる、の「確かめる」を、棚の数字でなく利益で行う。

ロール財布追うKPI
営業
(トレードマーケ機能含む)
セルイン責任+店頭販促原資(値引き・店頭販促費・二次展開料) 棚シェア・配荷・二次展開・需要期棚充足率・商談条件・価格訴求依存度(ガードレール)
宣伝
ブランドマーケ
マス広告・PR予算 需要創出(検索・SNS・露出)・露出の店頭反映率(話題・評価POP化)・非価格露出比率
経営
(役員・事業部長)
統合P&L 投資後貢献利益・ROI・回転・値引き効率・増分検証(DiD)

ラウンダー・SVは提供側(インパクトHD)の実行装置で、KPI窓の主語はメーカーの3ロール。営業が持つ値引き・販促原資(トレードプロモーション)は、マス広告と違って効果測定の文化がない。この未測定領域が、本サービスの主な提供価値になる。

ズレの一画面(設計例)

営業ビューでは、値引きで棚シェア達成=◎達成。経営ビューでは、同じ月に価格訴求依存が上がり、net粗利と参照価格にリスク=✗劣化。同一データをロール切替で見せる。機会に挙げた「三者が同じ数字を見ていない」分断を、店頭データ1本で接続する。

良いクロス経路

宣伝の財布でメディア露出とSNSの話題を作り、棚前で使える訴求文・POP・掲出計画にして渡す(マテリアル)→ 店頭で実装する:話題・評価POP・二次展開(実装するのはインパクトHDのラウンダー)→ 営業が値引き原資を使わずに棚を取る → 経営のnet粗利・参照価格が守られる。一つの打ち手で、3ロールのKPIが同時に改善する。PR露出の制作だけ、または店頭巡回だけでは、この経路は成立しない。二社で提供する理由は、この経路にある。この経路の利益効果はまだ仮説で、投資後貢献利益がDiDで正と確認できた範囲から広げる。

ガードレールは、画像だけで今すぐ作れる

実証断面(ドンキ・GATSBY238枚)の実測では、店頭訴求の内訳は価格62件・売上No.1 43件・限定42件に対し、SNS・テレビ話題はわずか3件。棚の訴求が価格に寄っている(値引き依存の代理指標)。PR資産(No.1・話題)の二次利用はほぼ空白で、話題・評価POPを投入する余地が、数値で確認できる。全チェーンの恒常値ではなく、実証断面。

自前で見える一線

セルイン→棚実装(棚シェア・フェイス・二次展開・POP・価格訴求)は店頭画像で自前。セルアウト(POS・回転)→ブランドP&L(net粗利・ROI)は先方データが必須。自前だけで「売れた・儲かった」を証明しない。利益で確かめるには、POSに加えて値引き実績・在庫・原価(COGS)・販促原資・実行費・返品/廃棄が要る。揃わない項目は利益を判定せず、棚と価格訴求の先行指標までで止める。だからこの一式を出してもらうこと自体が、受注の理由になる。

相手の組織で、提案の型が変わる

同じサービスでも、相手の組織によって売り方が変わる。

したがって、商談の初手では次の点を確認する。「御社ではトレードマーケティングは誰の担当か。独立した部署か、営業が兼務しているか」。この確認で、意思決定構造・予算主体・提案の型を同時に把握できる。

収益と価格

三つの予算から受注し、継続で積み上げる収益構造

社内予算が部門ごとに分かれている状況に合わせ、複数の予算から受注する。単発の受注ではなく、月次サイクルが回るほど積み上がる継続課金とする。

LAYER 1|診断

ダッシュボード(月額)

低価格の入口で導入のハードルを下げる。

マーケ・分析予算

LAYER 2|実装

ラウンダー稼働

取り返し・二次展開・POP掲出。事業の本体。値引き・販促原資の効きはこれまで測られてこなかった。それを可視化するから、この予算から支出する根拠になる。

営業・トレード予算

LAYER 3|PR

PR設計・制作(マテリアル)

PRテーマ、メディア露出とSNSの話題づくり(インフルエンサー起用を含む)、店頭で使う訴求根拠、POP文案と制作データ、露出週の展開計画。宣伝部は露出の店頭反映率が見え、営業は掲出画像を本部商談に使える。

宣伝・PR予算

価格体系(構成要素)

積み上がる仕組み

ラウンダーが回る → 実装の売上と画像データ → 診断精度が上がる → 回す理由が増える → さらにラウンダーが回る。データは実装の副産物なので、診断のためだけの撮影費がかからない(解析・QA・運用の費用は別途かかる)。回すほど、店頭で使える訴求根拠の標準データベースが溜まる。ただし積み上げる順序は提供側の都合ではなく顧客のP&Lで決める。投資後貢献利益が正と確認できた施策から月次で広げ、確認できないうちは規模を増やさない。

提供形態と契約の型は二つ

提供形態は2型=強化ツール型外部トレードマーケ機能型(詳細は「誰の数字か」)。どちらで売るかは、商談の初手の問いで見極める。

導入

小さく始めて、月次サイクルにする

1か月目

初回診断

既存画像・指定店舗で棚シェアを診断。

2か月目

施策設計

重点チェーン・重点カテゴリの打ち手を設計。

3か月目

実装

ラウンダーが店舗別に売場を改善。

4か月目

効果検証

再撮影し、対照店群との差分(DiD)で棚の増分を確定。売上・利益の増分は先方データ(POS・値引き・在庫)連携後に確定する。

5か月〜

月次化

診断→実装→検証を毎月回す。

成功KPIは2層。先行(画像で即・自前)=需要期棚充足率・価格訴求依存度・非価格露出比率・欠品率・店舗別改善完了率。確定(POS連携後)=売上リフト・値引き効率・フェース当たり粗利。

実証の進め方

展開の順序 = 統合読み筋の順序

展開の順序は、THEME 1で導出した三つの読み筋に対応させる。まず定番棚で優位に立てている地域で有効な施策条件を確認し(PLAY 03)、次に定番が弱い地域で底上げを検証し(PLAY 02)、その条件を全国最大チャネルのマツキヨに適用する(PLAY 01)。検証対象を絞るため、第1・2弾はGATSBYデオ × 診断(S1)+棚取り返し(S2)を軸に置き、第3弾はマツキヨの負けカテゴリ(ヘアカラー・除毛)に当てる。第2弾は定番の底上げを検証する弾なので、診断(S1)・棚取り返し(S2)に什器ROI検証(S4)と欠品補修(S6)を足す。話題・評価POP(S3)とPR連動店頭(S5)も各弾の狙いに合わせて足す。

読み筋エリアチェーンブランド機能この弾で確かめること
第1弾PLAY 03 勝ち型づくり近畿ダイコク/キリン堂GATSBYデオS1 診断/S2 取り返し近畿は定番で戦える地域で、ダイコク58/キリン堂56と全体の棚シェアが高い。ただしデオ単体のカテゴリ別データは未取得のため、まず両チェーンのカテゴリ別を新規撮影して(逆算データ取得)ベースラインを取り、「勝ち型」の候補を抽出したうえで他地域に適用できるかを判定する。
第2弾PLAY 02 底上げ検証北海道ツルハGATSBYデオS1 診断/S2 取り返し/S4 什器/S6 欠品二次展開依存58%で定番が最も弱い。什器ROIと補修で、定番の底上げが効くかを検証する。
第3弾PLAY 01 全国最大へ適用全国マツキヨGATSBYヘアカラー/除毛S1 診断/S2 取り返し/S5 PR連動全国最大903店が全体42%で最弱(ヘアカラー16%が主因)。第1・2弾で確かめた条件を、全国値を押し下げているマツキヨに適用する。
第4弾汎化九州トライアル/ダイレックスGATSBYデオ+BifestaS1 診断/S2 取り返し/S5 PR連動全国型とエリア偏在の打ち手差分+別ブランドで汎化を実証。
第5弾横展開全国本部パッケージ/他メーカー同カテゴリ他社棚改善×PR連動の実績をパッケージ化し、本部商談と他メーカーへ広げる。

エリア×チェーンはダッシュボードの地域ビューと同じ統合キューブの実測に基づく。近畿=地域の棚シェア53かつダイコク58/キリン堂56と勝ちチェーンが集積・二次展開依存29%で定番で戦える。北海道=二次展開依存58%で定番が弱く、ツルハの母集団店舗の59%が北海道。マツキヨ=全国型で母集団の56%が関東、全国最弱42%。各弾の時期は需要カレンダーに合わせる(デオは2-4月に仕込み、6-7月の需要期で検証する)。

次に詰める5点

往訪でマテリアル側が最初に伝える内容

「今回のデータを見る限り、店頭に話題訴求がほぼありません(実測238枚中3件・実証断面)。棚に書かれているのは、価格・No.1・限定——御社の中にすでにある根拠だけです。外の事実、つまりメディアで紹介された・第三者に評価された・話題になっているという一行が、棚に出ていません。私たちはその事実を作り、棚前で使えるPOPの文案と制作データ、掲出すべき店舗、露出週の展開計画まで作ってお渡しします。実装した結果は画像で確認し、掲出した店と掲出しなかった店の差でPR投資の効き方を出します。」

競合比較

他社は現状把握まで。本サービスは改善の実行と検証まで行う

相手できることこの二社との違い
調査会社棚の状態を把握結果で終わらず、ラウンダーが売場改善まで実行する
リテールメディア広告配信広告でなく、棚・POP・什器・欠品まで改善する
インテージ/SRIPOS結果の把握結果でなく、売上の前提となる売場状態を診断する
ラウンダー会社作業代行作業でなく、画像診断に基づく改善指示と効果検証を行う
PR会社話題化話題化で終わらず、その話題が棚前でどう効いたかを店舗単位で検証する
POP・販促制作会社指定された内容をPOPにする制作の前段——棚に書ける第三者の事実(露出・評価・話題)そのものを作る
POSリフト分析・TPMツール出荷・POSベースの販促効果推定店頭実装(棚・訴求・什器)が実際どうなったかの実測がない。そこを画像で埋める

反論と回答

クライアントが必ず出す7つの反論

POSやSRIで十分では?

POS/SRIは売れた結果。本サービスは売れる前提(棚シェア・フェイス・POP・什器・欠品)を確認し、POSが下がった原因の候補(棚不足・欠品・競合什器・価格訴求不足)を売場側から切り分ける。天候・配荷・競合施策・広告などの要因は残るため、断定はせず、店別POS・在庫・施策履歴と対照店群を合わせて判定する。併用で結果と売場状態を接続できる。

棚やPOPは小売の判断で変えられないのでは?

全売場を即時に変える前提ではない。変更可能(POP掲出・前出し・欠品確認・掲出物差し替え)と、営業交渉が必要(フェイス拡大・棚位置・二次展開)を分けて設計する。画像と数値で、小売に提案しやすい資料を作れる。

画像診断の精度に不安がある

初期は画像診断と人の確認を併用。棚シェア・フェイス数・POP有無・什器有無・欠品有無など判定しやすい項目から開始し、SKU単位は対象と撮影ルールを限定して段階導入。初回の実証で診断精度・判定不能率・再撮影率をKPIに置く。

ラウンダー費用が増えるだけでは?

現状の訪店を、売場改善に直結する指示型業務に変える。全店を同頻度で回るのでなく改善余地の大きい店を優先し、訪店後は棚シェア・フェイス・POP・欠品・什器の改善結果を確認。作業量でなく改善完了率と売場KPIで評価する。

どの予算で払うべきか決めにくい

3層に分けて契約できる。診断はマーケ/営業企画、実装は営業/ラウンダー、PR連動は宣伝/PR予算。初回の実証は診断費を最小化し、効果が出た施策から営業・宣伝予算へ拡張する。

棚を取っても、値引き頼みなら利益にならないのでは?

その通り。だから価格訴求依存度を常時監視する(実測では店頭訴求は価格62件に対しSNS・テレビ話題3件=実証断面・ドンキ238枚)。その上で、第三者の評価と露出で値引きに頼らず棚を取る経路(話題・評価POP/PR連動店頭)を標準装備する。目的関数は棚シェアでなく利益。非価格で取った棚も、投資後貢献利益がDiDで正と確認できるまで拡大しない。

効果は猛暑や全社キャンペーンのおかげでは?

前後比較では判定しない。同条件の未実施店を対照群に置き、差分の差分(DiD)で増分だけを効果と認める。

実証データ

診断が成立し、課題構造が再現する証拠

店頭画像をAI解析。GATSBYは13チェーン(統合キューブ1,557カード)で棚シェアを実測し、別ブランドBifesta(5チェーン・227カード)でも同じ手法が通用することを確認した。解析した2ブランド・のべ12チェーン(GATSBY 7・Bifesta 5)のすべてで、店頭に話題訴求がほとんど無く、二次展開・エンドの比率が高いことが再現した。

2ブランド・12チェーン共通① 話題の不足

店頭の話題訴求(テレビ・SNS)はGATSBY各チェーン0〜8件(7チェーン)、Bifestaは5チェーンとも0件。価格・No.1・限定が中心。話題・評価POP(S3)の余地が、観測したどのチェーンにもある。

2ブランド・12チェーン共通② 二次展開への偏り

二次展開・エンドで撮れたカードの観測比率はGATSBY 22〜35%(7チェーン)、Bifesta 30〜53%。地域別では北海道58%まで上がる。定番で取り切れず販促で補っている可能性が高い(撮影設計や訪店頻度でも動くため、確定には店別の定番棚実測と販促費の突合が要る)。棚取り返し(S2)・什器ROI検証(S4)の対象が、観測したどのチェーンにもある。

GATSBYの棚占有率は7チェーンでデオ45〜57%(全チェーンで取り切れず)。Bifestaは27〜39%で全チェーン劣勢(主敵=ビオレ)。数値はラウンド対象店の撮影棚ベースで、相対(カテゴリ差・チェーン差)が堅い。時系列は、撮影量とエンド露出率が母集団メタ29万行の決定論集計で確定しており、カテゴリ別の月次の棚シェアは各月8〜12枚の方向値。加えて、棚シェアを実測した13チェーン(母集団の82.5%)の範囲では、店舗数で重み付けした全国の棚シェアは48%で、単純合算50%とも大きくずれず安定している。

前提と限界(誠実に)